すこぶる第一印象がいい人にはウラがある

ビジネス書の多くには、最初から相手に「好印象をもってもらうように努めなさい」と記述するものが多いが、必ずしもそれがベストとは限らない。

最初から好印象を与えようとし過ぎずに、ありのままの自分を見せながら接することも必要だ。そして徐々に好感度をあげていく。

たとえば、最初は「さえない部下だな」と思っても仕事をさせていくうちに、決断力があり実績も出す姿に、「なかなか、できる奴だ」と好印象を持ってもらうことができる。

また、ビジネス話を展開するにも、わざと不利益な話からしておいて、提案の印象を下げておいて、上げる話をするのもいいかもしれない。もしくは、上司ウケしようと最初から全力でやるのではなく、じっくり取り組んで後半追い上げるように働く。すると、相手は「思ったより、悪くないじゃないか」と、話に前向きになる場合もあるだろう。

同じ論理で、ある出来事から状況がマイナスになったとしても、それを挽回して、大きなプラスにすることは充分に可能だ。

こんなことはあった。小さな菓子店で、ケーキと300円ほどのお菓子1個を買ったものの、帰宅するとお菓子が入っていなかった。そのことを電話で告げた。

こういう時、たいがい店側は「今日は忙しいので、後日、お店に寄って頂ければ返金します」あるいは、「商品を取りに来てください」となるものだ。

ところが、電話にでた中高年と思しき男性は「今からお届けに上がります」という。数分後、初老の男性がやってきて低姿勢で、「大変申し訳ありませんでした」と、商品を2個差し出した。

対応の速さとともに、安い商品であっても、サービスを疎かにしない姿勢に驚いた。「お菓子を今日、食べられないのか」という、損をした気持ちになっていたが、もう1個の商品を手に入れて、得をしてしまった。

地元でこのケーキ屋が流行っている理由には、味がよいこともさることながら、まさにこうした点があったのかと思う。期待する以上の満足をサプライズの形で提供できるかは、その後の対応しだいということだろう。

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