4代目ロードスターは初代に追いつけたのか?

「人間中心」のために、小さく、軽く、低くを徹底的に貫いた4代目ロードスターは、果たして偉大なる初代に追いつけたのだろうか? それを断言するにはまだ数年が必要だろうが、一つだけはっきりしていることがある。

4代目ロードスターは発売1年を待たずして、すでに開発費の回収を終えている。4代目はそれだけの人々の支持を得たことになり、クルマの持つ「楽しさ」を追求したクルマ作りは、一定の成果を挙げたと見なせるだろう。初代ロードスターは偉大なクルマだが、四半世紀を隔てた初代と最新型の間にある差は、少なくとも重要ないくつかの点において、決して小さくない。衝突安全性能では、生死の差を分けるほどの圧倒的な差があり、環境負荷では1桁は優に違う低排出ガス性能を持ち、運転によるとは言うものの、燃費性能でも1.5倍程度の差はある。初代とベスト・オブ・ロードスターの座を争う権利を、4代目ロードスターは十分に持っているのではないだろうか?

さて、最後に少し宣伝をさせていただきたい。筆者の初の書籍が出版されることになった。タイトルは『スピリット・オブ・ロードスター 広島で生まれたライトウェイトスポーツ』。版元はプレジデント社で価格は1900円(税別)。4代目ロードスターの開発エンジニア25人に28時間のインタビューを敢行し、スポーツカーについて、歴代ロードスターについて、そして4代目ロードスターの開発インサイドストーリーをまとめたものだ。ご一読いただければ幸いに思う。

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