ポケモン世代は全年齢層に広がる

こういった、続々と新種が出てくるポケモン戦略のヒントとなった話として面白いのは、ポケモンを開発したのは任天堂1社でなく、ゲームフリークという会社も開発元となっているということです。そして、このゲームフリークの社長だった田尻智氏がポケモンの開発にあたって参考にしたのが、ウルトラマンシリーズだったと言われていることです。ウルトラマンシリーズの中のウルトラセブンでは、カプセル怪獣というものが出てきますが、当初は、このカプセル怪獣から着想を得て、カプセルモンスターというロールプレイングゲームの企画をしたそうです。それが、カプセルトイのようなモンスターが通信ケーブルを行き来するという発想に変わり、最終的にはポケモンに結実したということだそうです。そこには、カプモンという名称では商標権に抵触するので、ポケモンに変化したという現実的な事情もあったようですが。

いずれにせよ、プレイヤー間による「交換」といった双方向的な概念をゲームに取り入れたポケモンは全く新しいゲームとして世間で受け入れられました。

より正確に言えば、ポケモンというゲームは、
(1)収集
(2)育成
(3)対戦
(4)交換

という4つの要素が非常に重要なゲームですが、双方向的な「交換」がないと収集の成果である「図鑑」が完成しないという、そもそもが一人では完結できないゲームでした。そこが広く受け入れられた要素だったと思います。しかも、友達と対戦もできる。だから、「こいつより強いモンスターが欲しい」という欲求も高まり、よりユーザー間でのソーシャルな欲求を高め、ある意味、キリがなかく、どこまでも突き詰められる要素が付加されていたわけです。

また、先に触れたポケモン関連番組の、例えば今でもやっている「週刊ポケモン放送局」では、芸人トリオのロバートや、アキバ系芸能人の代表格でもある“しょこたん(中川翔子)”などがポケモンフリークタレントとして登場して、親しみやすかった上に、新しいソフトに関する情報がどんどん出て来るといった、同時進行性も大きな魅力であったに違いありません。

以上が20年前に生まれたポケモンの歴史ですが、実はポケモン世代というのはもっととても長いんです。

だいたい5歳から中学生くらいまでが実際のゲームをプレイするとして、20年前の5歳ですから下が25で上が35歳が「ポケモン登場世代」です。今でもポケモンは新作が登場し続けているわけですから、この登場世代を含んだ下は5歳から上は35歳までが「リアルポケモン世代」に当たります。どちらかというと男子の方が多いのかもしれませんが、リアル世代は周りのみんながやっていたので、女の子もだいたいは当たり前のようにやっていたので、特に男女を問う必要はありません。

また、小さい子供の遊びなので、親が強引にゲームソフトを買わされたり、テレビアニメを見せられ、映画館に連れていかされるので、この親世代も自然と親しむようになります。女性がだいたい20~40歳までに子供を産むとすると、20年前の20歳ですから下は40歳から上は60歳までが「リアルポケモン親世代」に当たります。私もその親世代ですね。さらに上の、孫にポケモンのゲームソフトや関連商品をせがまれて買ってやった「じいちゃんおばあちゃんの「せがまれ世代」までと考えると、ほぼ全年齢層がなにがしかでポケモンに馴染みがあると言えるんです。

このような背景が全世界的にあったので、スマホゲーム「ポケモンGO」が世界的な大ヒットになったのでしょうね。

次回は、「ポケモンGO」と他のスマホプリとの違いについて、解説したいと思います。

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