「住生活基本計画」が5年ぶりに見直し

どんな家に住んで、どのような生活を送るか──。誰にとっても生涯にわたる大事なテーマに違いない。一方でそれは、国全体にとってもまた、重要な問題だ。生活の基盤である住まいについて考えることは、国の将来を考えることとも重なる。そこで国土交通省は、2006年に初の「住生活基本計画(全国計画)」を策定。その後、見直しを重ねながら、住まいと暮らしにかかわる施策や目標を示している。今年3月にも、5年ぶりに新たな計画が発表されたところだ。

そのなかで目標の一つとして掲げられたのが、「建て替えやリフォームによる安全で質の高い住宅ストック」の確保だ。既存住宅のストック化はかねてから重視されていたが、今回の計画では「民間賃貸住宅の計画的な維持管理」「マンションの維持管理・建て替え・改修」の推進など、集合住宅の施策についても強調された。またリフォームの市場規模については、現状の約7兆円から2025年には約12兆円にする具体的な目標が立てられている。

リフォーム市場の70%の拡大──。国が高い目標を設定するのには理由がある。それは、日本の住宅投資に占めるリフォーム投資の割合が海外に比べて圧倒的に低いからだ。グラフのとおり、欧州各国が5割から7割強を占めているのに対して、日本は約3割。これは見方によって、日本のリフォーム市場がまだまだ大きな伸びしろを持っていることを示している。

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(資料)日本:国民経済計算(内閣府)・(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターによる推計値 英国、フランス、ドイツ:ユーロコンストラクト

既存住宅のシェアは着実に増加中

新たな「住生活基本計画」を実現すべく、国としても具体的な支援策を打ち出し始めている。現在、実際に住宅の購入やリフォームを検討している人にとっては、これも注目だ。なかでも、今年10月に発表されたばかりの「住宅ストック循環支援事業」はリフォームなどに際して経済的な補助が受けられる施策だ。

具体的には、まず持ち家の省エネ性能を高める「エコリフォームに対しての支援」。ガラス交換や内窓の設置、ドアの交換などの断熱改修、また高断熱浴槽、高効率給湯機といったエコ設備の導入などが対象で、一戸あたり最大30万円が補助される。エコリフォーム後の住宅が耐震性を有することが条件で、耐震改修を行う場合は補助限度額が45万円になる。

また、「既存住宅の流通に関する支援」もある。これは若者(40歳未満)による既存住宅の購入における、インスペクション(専門家による住宅の調査、診断)や購入時のエコリフォームに対して行われるもの。補助限度額は50万円だ。

日本の全住宅流通量に占める既存住宅のシェアは約15%(2013年)。欧米諸国の6分の1程度といわれるが、その割合は近年着実に高まっている。外装、内装のリフォーム、そして建物全体の改修まで、多彩な技術、商品が登場する中、その傾向は将来的にも変わらないだろう。知恵と工夫でよいものを長く使うというのは、もともと日本人が持っている特性に違いない。自分の住む家に手を加えることで、快適性や安全性をいかに高められるか。一度、じっくりと考えてみるのもいいだろう。

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