2016年11月18日(金)

僕が20年間、鮨屋に通ってわかったこと

dancyu 2015年1月号

文・友清哲

いざ、カウンターに座るとなるとまだ不安がある。お客の立場からの助言もあれば心強い。教えてくれるのは20年以上全国の鮨屋を巡り、今も自腹で食べ続けるサラリーマンだ。

サラリーマン鮨オタク●宇佐美 伸さん
1961年、北海道釧路市生まれ。早稲田大学卒業後、読売新聞社に入社。以来、出張や旅行で全国の鮨を食いまくる、人呼んで「エンゲル係数75%の男」。『寿司おたく、ジバラ街道をゆく』(講談社)、『すきやばし次郎 鮨を語る』(文春新書)などがある。

いい店の見つけ方

▼大将の顔とつけ台でわかる
席に着いたら、大将は身ぎれいか、つけ台が不潔でないかをチェック。ネタの鮮度や味はもちろん、ガリは自家製か、わさびは本物かも見てみよう。意外なチェックポイントは、職人の手元に清潔な布巾が常備されているかどうか。衛生面への配慮が行き届いている店では、ネタを切るたびにこまめに包丁を拭う動作が見られます。

身だしなみ

▼清潔感さえあれば第一段階はクリア
服装よりも、身ぎれいに。私はいつも、鮨屋に行く前はシャワーを浴びて髭を剃ることにしています。時間の都合でそれが叶わなくても、下着だけはきれいなものに替える。鮨オタクである私にとってこれはある種の儀式。いい鮨屋とは、訪れる前に身を清めたくなる清々しさを備えているものです。

食べ方

▼基本は手づかみ。時々、箸
職人が精魂を込めて握る魂の一貫。ならばこちらも、指先を目鼻のように研ぎ澄まし、酢飯やネタの触感の一つ一つを丁寧に感じ取りたい。だから手を使います。鮪のしっとりと艶めかしい手触りや、赤貝のプリプリとした潔い感触を、存分に堪能します。ただし、穴子などツメが塗られたネタには箸を用いる、「二刀流」が王道といえます。

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友清 哲