「世界の都市総合力ランキング」は主要40都市を選定し、「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」における70の指標に基づいた評価である。最新の15年度はロンドン、ニューヨーク、パリ、東京、シンガポールという順位。東京については、個別の評価として〈トップ3の都市と比べると文化・交流や交通・アクセスが弱みとなっている〉と但し書きが付け加えられている。

【辻】前回の東京オリンピックでは新幹線や高速道路などのインフラが整備された。今回、日本はインフラについては成熟している。それ以外の部分がオリンピックを契機に進むのではないかと思っています。具体的には文化・交流面です。

【弘兼】街をつくることとオリンピックが開催されることは、どのような関係があるのでしょうか。

【辻】虎ノ門ヒルズは、いわゆる「マッカーサー道路」と言われていた環状2号線とともに14年に誕生しました。環状2号線は選手村と新国立競技場を繋ぐ幹線道路で、いわば「オリンピック・ロード」とも言えます。オリンピックに向けて、ここに、東京メトロ日比谷線の新駅やBRT(バス高速輸送システム)のターミナルも整備されていきます。

虎ノ門に超高層ビル3棟、地下鉄新駅と一体開発

【弘兼】虎ノ門ヒルズの開発はオリンピック開催を見越したものだったのでしょうか?

【辻】いえ。もともと、虎ノ門エリアは森ビル創業の地で、ナンバービルをいくつも持っていたのです。それらが何十年か経って、再々開発の必要が出てきた。ただ、オリンピックの開催決定が、都市づくりや再開発の追い風になっているのは確かです。

【弘兼】今後、国と国ではなく、それぞれの都市同士の競争になると見ています。オリンピックは東京を後押しする力になるのではないですか。

【辻】はい。これからは都市間競争になるというのは、我々が20年ほど前からずっと言っていることでした。昔は、どの外資系企業もアジアのヘッドクオーターを東京に置いていました。しかし、今では、シンガポールと香港に移っている。加えて上海もある。こうした都市との競争に勝てなければ、東京はアジアの中の地方都市になってしまう。