▼シーン別話し方実例

▼シーン1:いつも会議に遅刻してくる上司をいさめたい

NG「みんなだって忙しいんですから、ちゃんと時間を守ってください。」
OK「お客さまのためにも議論をもっと深めたいので、会議の時間はしっかりと確保したいと思います。」

「遅刻する上司の人格を否定するのではなく、お客さまや会社にとって有益な提案として話しましょう。会議の時間を確保するためとか、部下の士気を高めるためとかですね」(世田谷ビジネス塾塾長 古川裕倫さん)

▼シーン2:仕事のやり方に納得がいかない

NG「その方法はもう古いのではないでしょうか。このようなやり方にしたほうがもっと良くなると思います。」
OK「部長のやり方もいいと思うのですが、こういう方法も試してみませんか。」

「『その方法は古い』は絶対に禁句。上司には『あなたの存在そのものが古い』と全否定されたように聞こえ、プライドもずたずたに。上司をまずは認めたうえで、すかさず代替案を提案しましょう」(NHKエンタープライズ・エグゼクティブプロデューサー 吉田照幸さん)

▼シーン3:自分への評価が低いことを伝えたい

NG「こんなに働いているのに、どうして昇進できないのでしょうか。同期の男性はすでに役職に就いています。やっぱり女性だからでしょうか。」
OK「どうしても昇進したいんです。そのためには何をすればいいのかを教えてください。」

「男性は成果、女性はプロセスを大事にするという考え方の違いからNGパターンになりがち」(古川さん)。「どうしてもという熱意を伝えて。なぜだめかを問うよりも、熱意で上司の情に訴えるほうが得策です」(吉田さん)

米山夏子=イラスト