重視すべきはキャッシュフロー

「それで気づいたんです。不動産を買うときは、誰もが物件にどれだけの資産価値があるのかを気にしますよね。でも投資として見た場合は、月々いくらが手元に残るのか――すなわち“キャッシュフロー”が大事なんだということに」

そこで今度は利回り重視の一棟建てアパートを狙うが「年収と自己資金が不足している」と冷たくあしらわれるばかり。それでも挫けず100軒以上の不動産会社をあたった結果、神奈川県横浜市に築26年の木造アパートが買えることになった。

融資と物件の組み合わせがカギ

「第2号物件は、諸経費と税金を引いても月19万円が手元に残りました。第1号物件と合わせて月収21万円です。この調子で物件を増やしていけば、月収100万円だって可能だと思いましたね。問題となるのはやはり融資でしたが、それも経験を積むうちにわかってきたことがありました。金融機関には築年数や収益率などでそれぞれ融資できる条件が決まっていて、持ち込まれた物件が適合していれば審査は通るんです」

(左)紺野氏の著書『不動産投資で人生を変える!最速でお金持ちになる絶対法則――資産ゼロでも毎月100万円を稼ぐ仕組み』(ダイヤモンド社)(右)月のうち1週間はどこかしら海外を旅行している。所有不動産が自分のためにお金を稼いでくれる。

それに気が付いてからというもの、物件購入は飛躍的にスムーズになった。今では旅先からメールとネット電話のやりとりで、物件を購入できるまでになっているという。実際、第8号物件は、バリ島で買い付け、パリで価格交渉をし、ハワイで融資承認を受けたものだ。

「2015年4月に第10号物件を入手して、月収240万円になりました。ベルボーイ時代の年収が、とうとう月収になったんです。貧乏時代に思い描いていた夢は全部、実現できました!」

次なる野望は大好きなパリに築100年の味のあるアパートを購入し、旅行者向けのホテルとして運用することだと言う。不動産投資家、世界を巡る――紺野氏は今月も、物件探しの旅に忙しい。