――鉄道事業は、人口減少に伴い、伸び悩みが予想される。

【来島】前期は鉄道と非鉄道が64対36という比率だった。これを2022年までに60対40にしたい。鉄道も新幹線はまだ伸ばせる。そのうえで流通や不動産といった非鉄道のボリュームを増やしたい。

――「地域の活性化なくしてグループの発展はない」を持論にしている。

【来島】そうだ。2014年にセブン-イレブン・ジャパンと業務提携し、駅構内にある約500のコンビニやキヨスクのセブンへの転換を進めている。魅力的なテナントを展開することで、地域の活性化に貢献したい。

――ホテル事業ではインバウンド消費の取り込みが期待される。

【来島】ビジネスタイプの「ヴィアイン」は増設中だ。エリア内の用地には限りがあり、ノウハウを有する駅周辺立地を中心にエリア外でも展開していきたい。

西日本旅客鉄道代表取締役社長 来島達夫
1954年、山口県生まれ。78年九州大学法学部卒業、日本国有鉄道入社。2002年JR西日本広報室長、06年人事部長、09年総合企画本部長、12年代表取締役副社長、福知山線列車事故ご被害者対応本部長。16年6月より代表取締役社長。

出身高校:山口県立下関西高校
長く在籍した部門:人事部門
座右の書(または最近読んだ本):城山三郎『少しだけ、無理をして生きる』
座右の銘:人間万事塞翁が馬
趣味:山歩き、街歩き

(國貞文隆=構成 篠塚ようこ=撮影)
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