インターンシップは大企業に有利

こうなるとお金や人員をかけられる資金的余裕がある大手企業が有利になることは間違いない。

中堅IT企業の人事部長はこう本音を語る。

「有名企業はインターンシップの青田買いなどで内定率が上がり、選考の解禁日はほとんど大勢が決まっているだろう。大手企業と同じことはできないのが苦しいところだ。インターンシップでは少人数しか受け入れられないが、学生と濃密な関係を作りながら仕事のやりがいを感じてもらい、会社を好きになってもらうように工夫するしかない」

では、インターンシップでは学生をどのように見極めて選別しているのだろうか。

同社では事務系は1週間、技術系は3日間のインターンシップを実施している。

「事務系は、事業内容について2日間の職場体験をしてもらう。それぞれ指導役の社員を配置し、その後にマーケット調査やリポートの提出など様々な課題を与え、それを踏まえて社員1人ひとりと徹底的に議論している。会社と学生がコミュニケーションする場を増やし、最終的に社員の評価と人事の評価を踏まえて、内々定を出すようにしている」

選考の指標としては、
・ 仕事に対する好奇心の度合い
・ 最後までやりきる力
・ 社員とのコミュニケーション力

を重視しているという。

「技術系の学生にはプログラミングの課題を与える。基本的には自分で調べたり、プロセスを工夫しながら自発的に動いたりして仕上げてもらう。2日間の成果を踏まえて皆でレビューし、最終的にスキルの高い学生に内々定を出している」(同上)

期間中に「本当にプログラミングをやりたいのかどうかもわからずに参加したが、途中でとてもしんどくて自分には向いていない」といった学生も少なくなかったそうだ。