経済界は猛反発必至の残業時間上限規制

理想的には、労働時間はEUの労働指令の上限である週48時間以内が望ましい。そうなると、月間の残業時間は35時間程度になる。

だが、長時間労働体質の日本企業では混乱が起きるという意見もあるだろう。そうなると現行の36協定の1カ月45時間という残業時間がひとつの目安になるだろう。

もちろん業種・職種・企業規模によって時限的な若干の例外規定を設けることも考えられるだろう。

もしこれが法定化されるとこれまでの行政指導とは違い、法律違反になるので逮捕されることになる。

逮捕の先頭に立つのは竹内結子主演のテレビドラマの「ダンダリン」で話題になった司法警察員でもある労働基準監督官である。

今は絶対的に人数が不足しているが、増員する必要もあるだろうし、労働基準監督署内に新たに留置場を設置することも考えてもよいかもしれない。

違法残業をさせた経営者が留置場に入り、取り調べを受けて送検されることになる。

そんなことを考えていたら、ある政府関係者から「上限規制については経営側だけではなく、労働組合も残業の極端な抑制を考えていないだろう。落としどころは過労死ラインの月80時間になるだろう」という話を聞いた。

確かに月80時間を超えて働いている人は雇用者全体の8.2%を占める。

それなりの効果があるけもしれないが、日本企業の長時間労働体質にメスを入れることにはならないだろう。果たしてどういう規制を打ち出してくるのか。残業時間の上限規制は日本人の働き方改革の基盤であり、本丸と言ってもよいかもしれない。