寝るのが好きというのは、僕も一緒です。「寝るぞ」と決めたら5分もかからずに寝られます。

――それはもはや特技ですね。昔からですか?

昔からです。寝ることほど楽しいことはないですね。楽だし、何も考えなくて済むし。

――ですよね~。

「飛行機のエコノミークラスで寝られない」という人がいますが、僕は寝ようと思ったらすぐに寝られます。

――むしろ、そんなに寝るのがお好きで、起きられるんですか。

朝5時に起きようと思うと、自然と4時50分ごろには目が覚めます。

大事な打ち合わせがあるときには、目覚まし時計をセットします。

――私は目覚まし時計に気付かないで寝続けてしまうこともあるんです。

そうですか。それでは目覚まし時計を3つくらい買って、手の届かないところに置いてみては。リビングに目覚まし時計を置いておけば、起き上がってアラームを止めにいくしかないので、体は目覚めるはずですよ。

――荒業ですね。

もっと簡単なのは、早く寝ること。夜の8時ぐらいにテレビも消して真っ暗にして、寝てしまえばいいのです。

――そんなに早く寝られる気がしません。

前の晩に徹夜すれば早寝ができるはずです。そうして早寝早起きを習慣づけていけばいいのです。もしくは怖い上司に頼んで、朝一番に打ち合わせを入れてもらったらどうでしょうか。インセンティブがあれば、人間は頑張れます。

――……プライベートな時間も楽しみたいんですが、早起きと両立できますか?

プライベートな時間を楽しみたいなら、まずは残業をやめること。早く帰って、プライベートな用事を早く済ませて、早く寝ましょう。

日本のサラリーマンは長時間仕事をしすぎです。日本の労働生産性はG7の中では最下位になっています。

――出口さんは残業されることは、ほとんどなかったんですか。

部下には「上司が残業しているから帰らないという姿勢は大嫌いだ」と言い続けてきました。そうしたら僕のセクションは、6時になったらみんな蜘蛛の子を散らすように帰ってしまうので「蜘蛛の子隊」と呼ばれていました。

その反対で、上司が帰るまでみんな下を向いて仕事をしているところは「帝国陸軍」と呼ばれていましたね。

Answer:20時には寝ましょう。早寝する自信がなければ、前日に徹夜しましょう

出口治明(でぐち・はるあき)
ライフネット生命保険会長 

1948年、三重県生まれ。京都大学卒。日本生命ロンドン現法社長などを経て2013年より現職。経済界屈指の読書家。