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一方、セブン銀行の安齋会長は、同僚の出世が気になるサラリーマンを一刀両断する。

「隣を見て勝っただの負けただの言っているのは、古い時代の大企業サラリーマンの発想です。のんびり横を見ている余裕があるなら、もっと自分の仕事に集中してほしい」

それでも人と比べたくなるのが人間の心理だ。どうしても同僚が気になったときはどうすればいいのか。

「僕は朝礼で、足元の身近な話より、日本経済や世界経済などなるべく大きなテーマで話すようにしています。たとえば僕は日銀で自由主義経済の真っ只中にいたけど、グローバル経済はけっしていいことばかりではなく、格差を生んだり、日本人の賃金が上がらない一因にもなっているというような話です。こんな話をしても、社員にとって仕事に直接役立つかどうかはわかりません。それでもあえて大きなテーマで話すのはなぜか。それは社員に目線を上げてほしいからです。同僚の出世が気になるのは、目線が下を向いているからでしょう。志を高く持って顔を上に向ければ、同僚のことなんて視界から消えていきます」

つまり、次元の高いテーマに関心を持てば、一企業内の同僚との競争は相対的にちっぽけでくだらないものになっていくというわけだ。世界経済や社会に関する情報は、自分でも収集できるはず。同僚のことが気になったときは、そうした情報に触れて自分の関心をシフトさせることが効果的なのかもしれない。

山口悟郎
京セラ社長。1978年、同志社大工学部卒。京都セラミック(現京セラ)入社。半導体部品国内営業部長、半導体部品事業本部長などを経て2013年から現職。
 
安齋 隆
セブン銀行会長。1963年、東北大学法学部卒業後、日本銀行入行。2001年にアイワイバンク銀行(現セブン銀行)設立、社長に就任、10年から現職。
 
(的野弘路、尾関裕士=撮影)
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