コンビニにとって、なぜ店舗シェアが大事なのか

なぜ、コンビニ各社は店舗数争いをするのだろうか。沖縄県民もセブン-イレブンの存在は知っているわけで、今更、認知度アップというわけではない。身の回りに少ないからといっても、大手3社の名前を知らないということはないだろう。

「店舗数が多い」とは、イコール「店舗を増やす力がある」ということである。2016年7月末時点の店舗数を2015年7月と比較すると、全国店舗数1位のセブン-イレブンが103店舗増、同2位のローソンが45店舗増、ファミリーマートが29店舗増となっている。新規店舗を立ち上げる際に必要な店舗物件の確保、新規オーナーの確保にも、店舗数は少なからず影響する。

「じゃあ、1位のセブン-イレブンに人気が集中するんじゃないの?」そんな疑問が湧くかもしれないが、実際にはそうはならない。それは、各社それぞれセブン-イレブンに対抗するセールスポイントがあるからだ。例えば店舗物件では、家賃やその他契約条件の違い。新規オーナーに対しては、ロイヤリティや支援策の違いなどである。

また、店舗数は、商品取引にも影響する。仕入原価や数量限定品の取引において、店舗数はそのまま取引量に変換される。1位のセブン-イレブンは通常の交渉で好条件を取得することができても、2位3位のチェーンは取引に差がつけられる、ということはままあるのだ。その結果として、強引な商品取引が行われることもある。最近では、ファミリーマートが下請法違反として公正取引委員会から勧告を受けたし、ローソンも優越的地位の濫用を公正取引委員会から勧告された過去がある。

各社、公式には店舗数争いを否定するものの、このようにコンビニを展開する上で大きなファクターとなっているのが、店舗数でありシェアなのだ。