「いつも自分は損ばかりしている気がする」そんな人は、ここに挙げるような行動をしている自覚はないだろうか?

「ポイントは貯めておきますか?」と言われると「はい」と言ってしまう

人はいったん自分のものにしてしまうと、そのものの値打ちを高く評価するという傾向があります。これを「保有効果」といいます。

ポイントやマイレージなど形がないものにも同じ心理が働きます。

たとえば家電量販店で実施している「10%の現金値引き」と「10%のポイント付与」。前者の割引率は10%ですが、ポイント付与の場合は違います。10万円の品物なら、付与された1万円分のポイントで何かを買えば、合計11万円分の品物を、10万円で買うことになるので、割引率は1万円÷11万円=9.1%しかありません。にもかかわらず、ポイント付与にはポイントが貯まるという「保有効果」も加わって、得をしたと感じてしまうのです。それでもポイントを貯めることに熱心な人は多くいます。

不思議なもので、貯まってくるとだんだん使うのがもったいなくなり、「もっと貯めたい!」という心理が強く働きます。貯めても金利はつかないわけですから、レジで「ポイントをお貯めになりますか」と聞かれたら、毎回「使ってください」と答えるほうが本当は得なのです。

同じく、マイルを貯めることに必死になる人もいます。私の知人にも「50回搭乗するとステータスが取れるから」と朝から伊豆大島、八丈島、大阪と往復し、「1日6回乗った!」と喜んでいる人がいましたが、これでは本末転倒。ポイント貧乏、マイル貧乏には気を付けましょう。

大江英樹
1952年、大阪府生まれ。野村証券で個人資産運用、企業年金制度のコンサルティングなどを手掛ける。2012年、オフィス・リベルタスを設立。行動経済学の研究からその問題点や解決法に切り込む講演・セミナーが人気を博している。『その損の9割は避けられる』『老後貧乏は避けられる』など著書多数。