2016年9月2日(金)

東京駅「かつサンド」会議

dancyu 2014年10月号

文・安楽由紀子 撮影・徳山喜行

今や東京駅は世界一かつサンドが消費される場所ではないだろうか。駅ナカおよび周辺のかつサンドを集め、この「旅の友・かつサンド」をどうすればもっとおいしく食べられるのか。かつサンドを愛する3名が、会議室に並んだかつサンドを食べ、揚げたてのかつのような情熱をぶつけ合った!

――皆さん、東京駅でかつサンドを買ったりしますか?

【元西前頭筆頭 敷島 浦風親方(以下、浦)】私はかつサンドを持たずして新幹線に乗りませんね。旅を盛り上げるために欠かせないというか。「弁当」「お酒」、そして「かつサンド」が地方巡業の必需品です。

【タベアルキスト マッキー牧元(以下、マ)】弁当と酒に加えて、かつサンド(笑)。前菜、もしくは酒の肴の位置づけなのね。

【フードライター 小石原はるか(以下、小)】私もかつサンドは東京駅でよく買っていますが、スタンスは愛すべき“つなぎ”かな。自分にとってはあくまでも「旅先でのごはん」がメインなので、新幹線ではお腹いっぱいにしたくない。でも、道中何も食べないのはつらい。だから「まい泉」のヒレかつサンドの3切れタイプにはよくお世話になっています。

【浦】うーん、なるほど。かつサンドは、「小さいから物足りない」じゃなくて、「物足りないからこそ、旅先の食事も楽しめる」というわけか。これは東京駅のかつサンドを語る上で、重要な考え方かもしれないですね。

「くいこみ」は最高だ!

――東京駅には膨大なかつサンドが存在しているわけですが、買うときの基準はありますか?

【マ】僕は、パンがボリュームあるかつに押されてグッと膨らんでいるやつを見ると、「おいしそうだな」って、つい手が伸びちゃうね。かつが健気に頑張っている姿が好きだなァ。

【小】かつがパンにくいこんじゃってる感じですね。

【マ】そう! くいこんでる感じ!

【浦】そうそう、くいこみね!

(※3名とも、しばらくうれしそうに「くいこみ」を連呼。そして1分後)

【マ】……それでね、ゴホン。なぜかつサンドのくいこみが魅力的かというと、1つは、くいこんでいると、かつとパンが一体化しているように見えるからではないかと。

【小】ああ、かつサンドでは「一体化」というのは大事ですよね。パンとかつの味わいがバラバラだったらかつサンドにする意味がない。

【マ】2つ目は、パンが薄くなることでかつが大きく見えて、迫力を感じる。3つ目が、くいこまれたパンは繊細でか弱く、柔らかそうに見える。

【浦】うんうん。確かに。逆にくいこみのないかつサンドって、見た目ではあまり気分が盛り上がらないですからね。全体が一体化していないように見えるし、かつも小さく見えるし、くいこまれていないパンは気が強くて、硬そうに見えるかも。

【マ】大事なんだよ、くいこみは。

【浦】大事ですねえ、くいこみは。

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安楽 由紀子