90分ごとの休憩が生む高パフォーマンス

根本的な疲労回復には至らないものの、覚醒したり、一時的にやる気が出たりすることを擬似回復という。脳を擬似回復させるための方法には、こんなものが挙げられる。

*コーヒーを飲む
*チョコレートを食べる 
*エネルギードリンク、栄養ドリンクを飲む
*頸動脈を冷やす
*精油などでアロマを嗅ぐ

コーヒーの成分であるカフェインにはドーパミンを出す作用があり、覚醒効果に加えて、やる気、行動量が増加するとされる。

チョコレートは、原料であるカカオに疲労回復効果のある多様な成分が含まれているため、カカオの含有量が多いものほど効果も高い。さらにカカオは多幸感をもたらすエンドルフィンを放出し、不安を取り除くセロトニンを増やす。このため、チョコレートは気分の高揚や幸福感をもたらして、ストレスを軽減すると言われている。

そして首筋にある頸動脈を冷やすと、脳内の温度上昇をふせぎエネルギーの消費を削減できる。また好きな香りを嗅げば、リラックス作用のあるエンドルフィンを分泌させる効果がある。

ストレスと耐性のスペシャリスト、ポーラ・ラックは『サイコロジー・トゥデイ』で次のように話している。

「環境があなたのスキルを低下させていないでしょうか。私たちの肉体も脳も、休みなく働く構造になっていません。パフォーマンス心理学者のジム・ロハーは、高いパフォーマンスを保つためには、90分から120分おきに短い休憩をとることが必要だと説いています。」

脳の活動も睡眠と同様に90分程度のサイクルになっている。仕事の手を止めてお茶を飲む、座っていたなら立ってお茶を入れる、ほんの数分ストレッチをする……など、少しの休憩がグンとパフォーマンスを向上させてくれる。

そして、近年ビジネスでも注目されているのが、アクティブレストだ。