スマホ入力したメモを原稿に仕上げるまで

実際にスマートフォンで音声入力した原稿。iPhoneの音声入力機能を使い、Google Documentアプリに書き込んである。
――スマホで入力したものを、どんなプロセスで原稿へと仕上げているのでしょうか。

【野口】私は週刊誌で3本の連載を持っていますが、朝走りながら(iPhoneの音声入力機能を使って)Google Documentにアイデアをメモし、帰宅して誤字や順序をPCで直します。音声入力そのものよりも、この作業のほうが時間がかかりますね。Google Documentはリアルタイムで同期されているので、ほかのデバイスからのアクセスがどこからでも即時に、同じファイルに対して可能。本当に便利です。

Google Documentは、AndroidでもMacでも、スマホでもダブレットでもPCでも、どういうOSやデバイスを使っても編集できる点でメリットが大きい。クラウドにおける同期が便利だということを認識します。しかし実を言うと、私が“ドッペルゲンガー・シンドローム”と呼んでいる問題があります。原稿の正本が複数できてしまう場合があるのです。

文書編集作業を最後までGoogle Documentで行えば問題はないのですが、雑誌原稿の場合は字数を正確に制約通りにする必要があるので、1行字数を決めた場合に行数をカウントできるテキストエディターに移す必要がある。つまりファイルをPCのテキストエディター上に移して、以後の編集作業を行うのですが、このときGoogle Documentにも原稿が残るため、PCに移したのを忘れてGoogle Documentに新しい修正を加えてしまうと、正本が2系列できてしまう。

――仮に「テキストに落とした後はGoogleDocumentを触らない」とルールを徹底しても、そのあと音声入力で追記したくなると問題ですね。

【野口】Google Document側に修正を加えると、自動的に追加ファイルを作って正本を残すので正本が2つになります。テキストエディターは、字数カウントが正確にできるほか、編集機能も優れているので、Google DocumentでサポートされているMicrosoft Wordでは不十分。そのため「WZエディタ」というテキストエディターを使っています。そのためこういったことになるのです。Google Document上でもっと高性能のテキストエディターが出てくるまで解決しない、非常に深刻な問題だと思います。字数制限の厳密な、雑誌原稿を書いているような人でないとわからない問題だと思います。