――CEOがサイコパス的であることは諸刃の剣であると思います。それが、その企業に与える影響についてどのようにお考えですか。

サイコパス度が高い人は、もしある従業員の能力が必要な水準に達していないと考えたら、冷酷に解雇の判断を下すことができます。経営リスクを伴う決断を下したり、それが失敗した場合でも精神的に回復する能力があるので、ビジネスの面はプラスになります。

しかし、その悪い面は、例えば自分が権力を持っているという理由だけで人を解雇したり、十分に計算せずにリスクを取ったりすることがあることです。それらは単なる「無謀な行動」です。失敗の後、精神的に回復する能力があっても、その失敗から学ぶことをしなければ、それはビジネスにはマイナスになります。サイコパス度が高いということは諸刃の剣で、その性格が間違って使われると、会社の状況が悪化します。

――サイコパス度が高い経営者の具体例があれば、教えていただくことは可能でしょうか。

現役の経営者の名前を挙げることはできますが、それをすると、私は頭がおかしくなったと思われるでしょう(笑)。なぜなら、私が「サイコパス度が高いことは必ずしも悪いことではない」といくら主張しても、一般社会では「サイコパス」という言葉にかなりネガティブなイメージがあるからです。

――では歴史上の人物ではいかがでしょうか。

例えばウィンストン・チャーチルは誰もが知っているイギリスの元首相ですが、彼は非常にサイコパス度が高い。それは誰にとっても驚くべきことではないでしょう。ビジネスでも同じですが、周囲の反対にもめげず、決断をしなければならない立場の人には、サイコパス的な性格が必要です。政治家にサイコパス度が高い人が多いことは簡単に理解できると思います。