仕事に対する意識は千差万別

たとえば子育てをするなかで、自分の能力を生かして社会に貢献したいという強い意識を持つ人材もいる。一方、シンプルに仕事は報酬のためと割り切る人材もいるなど、仕事に対する意識は千差万別である。さらには社員それぞれが、仕事に対する考え方、生きがいを考えるうえでの位置付けも異なるなかで、会社の業務における個人の役割が適切に与えられることが、会社にとっても個人にとっても幸せな関係になる。

このような観点も踏まえて、女性の仕事の機会をより高次元で達成できるシステムが「ファミリー・フレンドリー」なのである。

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女性の活躍の「高次元化」とは?

ファミリー・フレンドリーは、社員の個々のスキル、仕事へのスタンス、生活における仕事の位置付けなどに応じて、企業が業務の役割を与えられるシステムがどの程度つくられているか、を見るものだからだ。

実際にファミリー・フレンドリーの面で優れた企業は特に投資家から評価されているようだ。近年は女性の活躍に関しても、投資家はより高次元の活躍企業を評価する時代になってきた。

●厚生労働省「均等・両立推進企業表彰受賞企業一覧」http://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/kintou/jyusyou07.html

吉野貴晶
大和証券チーフクオンツアナリスト。筑波大学大学院博士課程修了。日経ヴェリタス人気アナリストランキング・クオンツ部門で14年連続第1位を獲得。著書に『No.1アナリストがいつも使っている 投資指標の本当の見方』(日本経済新聞出版社)など多数。

イラスト=サタケシュンスケ