ラムニストで女性の胸の内、腹の内を熟知する辛酸なめ子さんも、いささかウザい印象のバブル女子をこう解説する。

「この世代の女性で管理職となっている人は、バイタリティと自負心の量が、部下世代とは桁違いです。社内の懇親会などの流れで行ったカラオケでもそれはいかんなく発揮され、突然立ち上がって中森明菜の歌(「DESIRE」など)を熱唱します。親衛隊のような男性社員は曲の途中でお決まりのかけ声や合いの手を入れます。そうしつけられているのでしょう。その場を完全に掌握した女性上司は、早く帰宅しようとする者を絶対に許しません。『A型は、いっつも自分だけ自己保身に走る!』と、血液型まで決めつけて(しかも間違い)、多くの人の前でなじります。そんなことだから、自分が飲み会を呼びかけ、不参加の部下には『なぜ来ないのか?』と詰問することもあります」

Dさん曰く、自己主張の激しいブラック女性上司に辟易して、会社を辞める部下も後を絶たないという。

対策と避難法:“問題上司”を懲らしめる方法はあるのだろうか?

“怒りを糧”にする女性上司に、“正常”な状態に戻ってもらう方法はないのだろうか。

怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングなどをする日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介さんは、「日本の企業内では、まだ女性上司を受け入れる土壌ができていないところがあり、女性がついイライラすることが多いのかもしれません」と一定の理解を示しつつ、こう語る。

「結論を先に言えば、相手(上司)を変えようと思ってはいけません。これは、性別に関係なく、多くの怒れる上司は自分自身を客観的に見ることができません。『自分は怒りっぽいので、自分を何とか変えたい』と私たちに相談したりカウンセリングを受けたりする管理職の方はいますが、そうした自省的なタイプはどちらかというと少数派です。だから、そういう上司に修正を求めてもあまり効果がありません」

ということは、部下は泣き寝入りせざるをえないということだろうか。