前菜、お造りと合わせたのは軽快なシャルドネ

乾杯しながらいただいた1杯目は「ローズマウント ダイヤモンドラベル ソーヴィニヨン・ブラン  2015」

まず前菜と合わせたのは、「ローズマウント ダイヤモンドラベル ソーヴィニヨン・ブラン  2015」(2100円、以下すべて750mlボトルの希望小売価格、税別)。アデレードヒルズ、マウントセンティンサントなどを中心に、複数のヴィンヤードから取ったブドウをブレンドして造るワインです。

お造りには「ローズマウント ダイヤモンドラベル シャルドネ 2015」(2100円)。こちらは、マクラーレン・ベール、ハンターバレー、ラーモンクリークという3カ所の畑のシャルドネで造ったワインです。「マクラーレンベールはリッチでフルーティーな、ちょっとメロンっぽい味。ハンターバレーはさらにリッチでピーチっぽさのある素晴らしいブドウができるのです。これによって深みを増します。そして、ラーモンクリークの特徴である、グレープフルーツのようなフレーバーで爽やかさを加えています」(コミンズ氏)。このワインのもう1つのポイントが、ほんのり香るオークの風味。「ステンレスタンクと、オーク樽を使い分けています。ステンレスタンクで造るワインのフレッシュさに加えて、ごく軽くオークの風味を付けています。僕たちは『バタフライオーク』と呼んでいます」

コミンズ氏によれば「クラシックスタイルだと、シャルドネはチキンと合わせることが多い。ゆでたカニやエビともすごく合うのでオススメ」とのこと。

先付は小豆胡麻豆腐、ミズダコとレンコンの梅肉和え(左)。マグロ、スズキ、鮎のお造り(右)
 

ダイヤモンドラベルの赤は、どっしりした味の料理と

炊き合わせと「ローズマウント ダイヤモンドラベル ピノ・ノワール 2015」

3本目、炊き合わせ(冬瓜干し貝柱射込み)とともに供されたのは、「ローズマウント ダイヤモンドラベル ピノ・ノワール 2015」(2100円)。口当たりがソフトで、とてもフルーティーな赤ワインです。

「アデレードヒルズ、南オーストラリアの畑が主で、あとは若干、タスマニアの畑のブドウもブレンドしています。これもアーリーリリース(後述)でフレッシュさを出すとともに、オーク樽を使って少しソフトさを出しています。ピノ・ノワールは、クラシックスタイルだと、ダックと合わせますね。だけど、肉やカニなど、いろいろな料理に合わせると面白いワインですよ」(コミンズ氏)

4本目に登場したのは「ローズマウント ダイヤモンドラベル シラーズ 2015」(2100円)。ローズマウントのダイヤモンドラベルといえばシラーズ、というくらい有名な、代名詞的なワインなのだそう。

「ローズマウント ダイヤモンドラベル シラーズ」

「ローズマウントで一番有名なのはこの1本だと思います。かつて、アメリカ全土で一番売れているシラーズはローズマウント、という時代もあったほどです。マクラーレン・ベールとラーモンクリーク、2カ所のブドウを使っています。マクラーレンベールのブドウは香りとリッチさを出し、ラーモンクリークでスパイシーさを足します」

丸なすとアボカドの味噌焼き、イサキの塩焼き、穴子のごぼう揚げ、はも、合いガモなどと合わせていただきましたが、確かに料理に負けないしっかりした味でありながら、あでやかでフレッシュさもある、非常においしいワインです。

次は「ローズマウント GSM グルナッシュ・シラーズ・マタロ 2013」(5000円)。コミンズ氏によると、他のオーストラリアのワイナリーに勤める友人たちの中でも、たくさんのファンがいるのがこのGSMなのだそう。GSMとは、マクラーレンベールのグルナッシュ、シラーズ、ムールヴェードルをブレンドしていることから名付けられたシリーズ名です。今回の試飲会で、筆者がもっともおいしいと思ったのがこのGSM。濃厚でスパイシーなのに、とてもフレッシュです。

「GSMはワイナリー関係者のファンが多いんです。『どれかワインをプレゼントするよ』というと『GSMがいい』とよく言われます(笑)。私自身も自宅用によくこれを買って飲んでいます。ローズマウントのフィロソフィーである“Wine is fun”を最も体現しているワインじゃないかなと思います」(コミンズ氏)

赤ワインと合わせた組肴(くみざかな)は、手前から時計回りに、合いガモ煮込みロース、イサキ酒塩焼、穴子ごぼう揚げ、丸ナスアボカド味噌焼き。