住宅ローンを借りている場合は団体信用生命保険で清算できる

住宅ローンを借りている夫が亡くなったり高度障害になった場合は、住宅ローンを借りる際に加入した団体信用生命保険で残りの住宅ローンを清算できます。つまり、それ以降はローンの返済が不要になり、自宅は遺された家族が住み続けることができるのです(相続税がかかる場合は、相続税を払って相続する必要があります)。この保険により、住宅ローンが払えなくなり、自宅を追い出されるという事態は避けられます。住宅ローンを借りている人が亡くなったら、家族は借入先の金融機関に連絡して手続きを行いましょう。

通常、団体信用生命保険の保険料は住宅ローン金利に含まれているので保険料を負担する必要はありません。しかし、フラット35のように団体信用生命保険への加入が任意で、住宅ローンと別に保険料を支払う必要がある場合は要注意。団体信用生命保険に加入していないと、家族がその後の住宅ローンを払い続けられず自宅を失う事態にも。

夫と妻がそれぞれ別の住宅ローンを借りている場合は、それぞれに団体信用生命保険に加入しているので、夫の分は清算されますが妻の分はそのまま払い続けることになります。

夫婦の収入を合算して1本のローンを借りている場合は、主債務者のみが団体信用生命保険に加入していることが多いので、夫婦で返済していても夫が亡くなった際には妻の分も清算されることになります。しかし、妻が亡くなった場合は住宅ローンの返済がすべて残ることに。団体信用生命保険の保障範囲をあらかじめ確認しておきましょう。

夫婦どちらかが亡くなった場合にローンの全額を清算できるようにしたいという場合は、三井住友銀行の住宅ローン「クロスサポート」があります。この商品は、連生団体信用生命保険付きで、保険料分として0.18%の上乗せ金利を払うと、夫婦どちらかが亡くなった場合はローンの全額が清算される仕組みです。

団体信用生命保険で住宅ローンが清算されても、固定資産税、管理費、修繕積立金、駐車場代などはその後もずっとかかります。妻が働いて払い続けられればいいのですが、そうでない場合は、この分を貯蓄で払っていくか生命保険などに加入しておくなどの対策を立てる必要があります。