子どもを産むのはタイミングではない

今、私が見ているセクターはITの企画から保守までの広い領域にまたがる業務を担当します。ITのガバナンスやセキュリティに対する診断やIT部門の人材育成、IT基盤やアプリケーションの導入、あるいは他のセクターと一緒にITの経営基盤づくりもします。

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複数のセクターが統合し、今は570人にまで増えました。そのうち3分の1が女性で、女性マネジャーも20人ほどいます。

ここでいう「マネジャー」は職位としてのマネジャーです。マネジャーは、所属部門のメンバーの「カウンセラー」となって育成プランに関わります。普段仕事をしているプロジェクトのマネジャーの評価を受けた後、改めて所属している部門としてどれだけ会社に貢献しているかを再評価し、その人のスキルを見えるようにするとともに、その後の育成を考えたうえでの仕事のアサインや中長期的な育成を考えるのです。

マネジャー時代にカウンセラーを担当していた女性のメンバーからよく聞かれたのが、「子どもはどういうタイミングで産んだらいいですか」。女性は子どもが生まれると仕事をつづけていくことを躊躇します。とくにコンサルタントは大変そうだからと、定時で帰れるような会社に転職していく人たちも見てきました。

でも産んでしまえば案外やっていけるものです。マネジャーのとき私が「タイミングじゃなくて産めるときに産むのよ」と助言したら、そのときのメンバーのうち3人は今、2サイクル目に入っています(笑)。

●岩井さんのキャリア年表

1992年(22歳) 食品メーカー入社
1998年(28歳) 第1子出産
2000年(30歳) アビームコンサルティング入社
2006年(36歳) マネジャーに昇進
2008年(38歳) 第2子出産
2009年(39歳) シニアマネジャーに昇進
2013年(42歳) 執行役員プリンシパルに就任

構成=Top Communication 撮影=向井 渉