ベンチャーで働くことは女性にとってチャンス

ベンチャーという水も合い、伸びやかにキャリアを築いてきた河合さん。いま自分のキャリアを振り返ったとき、ベンチャーで働くことは女性にとってチャンスを広げると考える。

「私がこの会社に入ったときは社員が50人くらいでした。人が足りないので早くから大きい仕事を任されたのが、自分にはよかったんでしょうね」

いまだ男女ともに、就職活動での大手志向は強い。だが人材を潤沢に抱える会社で、チャンスをつかむのはハードルが高い。

「もちろん特別に優秀な方ならいいでしょうが、多くの女性にとって大手企業で仕事の裁量を広げていくというのは、ものすごい競争です。勢いがあって、これからという会社で働けば可能性が広がると思います」

仕事に没頭する時期があってもいい

【写真上】一般職時代【写真中】エン設立1年後【写真下】日経広告賞を受賞

30年のキャリアの中には、ときに寝食を忘れて働くという時期もあった。たとえば37歳のとき。自身で企画した派遣サイトの開設前は2カ月間、朝7時半に出社し、終電まで仕事をつづける日々。会社の責任者として外部パートナーとともに開発を進め、業界ナンバーワンのサイトに育て上げた。

「ただ忙しいだけなら疲弊してしまったかもしれませんが、オーナーの立場で決裁権を持って仕事ができたので楽しかったですね。それまでのキャリアすべてが役に立ったと感じられる経験でした」

女性が敬遠しがちな管理職も「さらに裁量が広がって楽しい」と言う。そういう経験から女性も、若い独身のときに一度は仕事に没頭するときがあってもいいのではないかと考える。