お互いの「構ってほしい」気持ちと向き合って

【本田健さんの回答】

結婚自体を見直す必要はないかもしれませんが、結婚生活に対して、パートナーの方とじっくり話し合う必要はあるでしょう。

「仕事と自分とどっちが大事なの?」という質問は、「僕のことをどうして大事にしてくれないの?」と翻訳して聞いてみてください。実際に、この質問は子供が生まれた後、よく旦那さんから聞かれることがあります。「僕と子供と、どっちが大事なの?」と聞かれて、相手の未熟さに反吐(へど)が出たという女性はたくさんいます。

恋愛と違って、結婚生活では、生々しい感情が荒れ狂います。恋愛時代なら、「どうして、もっと自分の方を向いてくれないの?」というセリフもかわいく聞こえます。そして、「ごめんね。気づかなくて」とすぐに相手に謝れたかもしれません。でも、リアルな結婚生活では、子供時代からためこんできた感情が一気に噴出するようになっているのです。その多くが、「自分のことを構ってもらっていない」という不満に根ざすものです。

精神的に健康で満たされた子供時代を送った人は、こういった感情を持つことが少ないのですが、私たちのほとんどはこの不満を抱えて生活しているのです。日常の仕事や友人との関係で、この不満を爆発させる人はあまりいないと思います。ですが、結婚相手には、100%ぶつけてもいいと、何故か考えてしまうのです。ちょっと不思議ではありますが、それだけ、相手に感情的に近いということなのでしょう。

そういう感情に向き合って、お互いを受け止めて、癒すのが理想ですが、なかなかそうはいかないものです。幸せな結婚生活を続けていくためには、お互いに感情と向き合う習慣が大切です。それができそうな相手かどうかの見極めは、結婚する前にしておいた方がいいでしょう。

男性回答者プロフィール:本田健(ほんだ・けん)
作家。神戸生まれ。経営コンサルタント、投資家を経て、29歳で育児セミリタイヤ生活に入る。4年の育児生活中に作家になるビジョンを得て、執筆活動をスタートする。「お金と幸せ」をテーマにした1000人規模の講演会、セミナーを全国で開催。インターネットラジオ「本田健の人生相談~Dear Ken~」は2200万ダウンロードを記録。
代表作『ユダヤ人大富豪の教え』(大和書房刊)など、これまでに著書は110冊以上、累計発行部数は700万部を突破。
【本田 健 公式サイト】http://www.aiueoffice.com/

文=本田健、河崎環 イラスト=伊野孝行