SNSの落とし穴

他人の生活をかなりリアルに見ることができる仕組みは、他の人に賞賛してもらったり、それこそ羨ましく思ってもらったりする欲望をうまく満たすように作られています。逆に言うと、そういう気持ちを持っている人たちは、そういう仕組みやツールをうまく利用して、自分の気持ちを満たしたり、それこそある種のブランディングに利用したりすることに長けています。

素敵なライフスタイルやワークスタイルが散りばめられている写真の向こうには、例に挙げたような女性たちの反応を待っている人がいる、かもしれない。そのカラクリが分かれば、それに乗ることにあまり意味がないことだと、もうお気づきですよね。

……でもねぇ、妬いちゃう気持ちもわかるんですよ。美味しそうなご馳走の写真が上がってくると「うわー、なんだ、うらやましすぎる!」と、私も心穏やかではいられませんから。大人気ないと反省しつつ。

サカタカツミ/クリエイティブディレクター
就職や転職、若手社会人のキャリア開発などの各種サービスやウェブサイトのプロデュース、ディレクションを、数多く&幅広く手がけている。直近は、企業の人事が持つ様々なデータと個人のスキルデータを掛け合わせることにより、その組織が持つ特性や、求める人物像を可視化、最適な配置や育成が可能になるサービスを作っている。リクルートワークス研究所『「2025年の働く」予測』プロジェクトメンバー。著書に『就職のオキテ』『会社のオキテ』(以上、翔泳社)。「人が辞めない」という視点における寄稿記事や登壇も多数。