いかに自分を印象づけられるかが大切

シャネルをアイコンにした女性経営者のクライアントもいます。ココ・シャネルの言葉に、「20歳の顔は自然から授かったもの。30歳の顔は自分の生きざま。だけど50歳の顔には、あなたの価値がにじみ出る」という名言があります。ある女性経営者はそんなシャネルの考え方が好きだそうです。「シャネルは働く女性たちを、動きにくかったコルセットから解放した人。私も働く女性の応援をしたいから」とおっしゃいました。これらの例のようにオシャレではなく、いかに自分を印象づけられる話ができるか。そんな装いが大切なのです。

コンセプトアイコンを決めるポイントは、シャネルをアイコンにした女性経営者のように、ココ・シャネルがこう言っていたから、と人と重ねると見つけやすいようです。「皇后美智子さまが使っていらっしゃるので」など、好きな方の愛用品という見つけ方です。女性では少ないかもしれませんが、「社長が」「創業者が」でも構いません。

自分で戦略を立てたアイコンの服装で私をプレゼンしていきましょう!

矢野 香
信頼を勝ち取る「正統派スピーチ」指導の第一人者。NHKキャスター歴17年。大学院で心理学の見地から「話をする人の印象形成」を研究し、修士号取得。現在、国立大学の教員として研究を続けながら、政治家、経営者、上級管理職などに「信頼を勝ち取るスキル」を伝授。全国から研修・講演依頼があとをたたない。著書に、ベストセラー『その話し方では軽すぎます! エグゼクティブが鍛えている「人前で話す技法」』(すばる舎)など。http://www.authenty.co.jp/

構成=坂口さゆり イラスト=米山夏子