私たちに必要な保険は?

自分に必要な保険を見極めるには、「自分が今、何を不安に思っているか」を考えるところから始めるとよいだろう。多くの人が口にしがちな「不安」を、次にピックアップしてみる。

(1)突然の病気やケガで、これまでどおり働けなくなるのが不安。
(2)自分や配偶者、あるいは両方が急に事故などで亡くなったとき、子どもなど取り残された遺族が路頭に迷わないか不安。
(3)自分や家族が急にがんになって治療に莫大なお金がかかったら……と思うと不安。
(4)老後、年金だけで暮らすのは厳しいというけど、自分で老後資金を十分貯められるか不安。
(5)子どもの大学進学のとき、学費を支払えるかどうか不安。
(6)将来、自分や配偶者が要介護状態になったとき、介護のスタッフを頼んだり施設を利用したりするのに、お金が足りるか不安。
(7)子どもが高級車にいたずらして、賠償請求されたらと思うと不安。
(8)自営業なので、自分がケガをして収入が途絶えることが不安。

イラスト=Asami Hattori

これらと似た不安を抱える人は多いのではないだろうか? 一般に、(1)の不安を持つ人は「医療保険」、(2)は「生命保険」、(3)は「がん保険」、(4)は「年金保険(または「終身保険」)」、(5)は「学資保険」、(6)は「介護保険」、(7)は「個人賠償責任保険」、(8)は「所得補償保険(または「就業不能保険」)」という具合に、対応する保険を選ぶことになる。

「ただ、払える保険料には限界があります。保障のバランスも考えつつ、優先順位を決めて入ることになります」

●不安を解消してくれるさまざまな保険
【医療保険】
病気やケガで入院したとき、入院日数や手術の種類などに応じてお金がもらえる保険。病気の種類は問わない。
【生命保険】
契約した人が死亡したとき、あるいは重度の障害を負ったときなどに、受取人に対して所定の保険金が出る保険。
【がん保険】
がんの治療費が保障される保険。診断された時点で一時金が出て、入院+通院治療の費用もカバーするものも。
【年金保険】
現役時代に保険料を支払い、60歳、65歳などの老後に積み立てたお金を年金のようにして受け取る保険。
【学資保険】
子どもの教育費(主に大学進学費用)を積み立てるための保険。子どもの病気などの保障がつく商品もある。
【その他】
その他多くの人に関係するものといえば自営業者向けの「所得補償保険」、介護費用を蓄える「介護保険」など。
畠中雅子
ファイナンシャルプランナー。マネー分野専門のフリーライターを経て1992年より現職。著書に『子育て中でも貯金ゼロでも 1000万円貯める 10のルール』( 主婦の友社)など。今買いたいものは、ブラウンダイヤのリング。

イラスト=Asami Hattori