結婚相談所経由のお見合いならではの落とし穴

順調に交際が始まり、3カ月が過ぎた頃、彼の運命を左右する出来事が起こった。それは、結婚相談所からのある連絡だった。

「交際開始から90日を過ぎましたので、成婚料金が発生します」。突然の連絡に思えたが、契約書には確かにそう書いてあった。入会時には、交際後にどんな段取りで事が進むかなんてイメージできてなかった。

こんな形でプロポーズをすることになるなんて……。どこか人ごとのような気持ちのまま、結婚相談所によってもたらされた流れに任せてのプロポーズとなった。

出会いから3カ月で結婚を決めると、今度は結婚式の準備に追われ始めた。のんびり交際をしている時間はない。日取りや式場の決定、ウェディングドレスなどの衣装選び、招待客は何人で誰にするのか、席順は……、やらなければならないことは山積みだ。

こうして、マサオさんとナミエさんの話題は結婚式一色となった。そして婚約から半年後、無事に結婚式が終わり、直後に出かけた新婚旅行先のハワイで彼はハッとした。

ナミエさんが3日間で30万円以上の買い物をしていたのだ。映画鑑賞以外のマサオさんの趣味は貯金だ。バンバンお金を使う彼女の姿に危機感を抱いた。思えば結婚式に関わる費用も、あれやこれやと彼女の要望に応えるうちに、当初の予定をだいぶオーバーしていた。しかし、「一生に一度のことだし」と、それ以上は気にとめていなかった。いや、気にとめる暇など無くここまで来てしまったのだ。

新婚生活がスタートしてすぐに、家庭は口論が絶えない状態になった。マサオさんがナミエさんに財布を預けるのを拒否したことがきっかけだった。「生活費は折半しよう」「そんなの変よ! どこの家も奥さんがお財布を預かってるわよ」「君みたいに経済観念のない人にぼくの財布は預けられない。ハワイでのあの買い物はなんだ!」「記念に買っていただけよ! あなた、頭おかしいんじゃない!?」

新婚生活は半年に満たずに破綻した。