女性が正社員として働き続けるには、結婚・出産をしても働きやすい会社を選ぶことが重要。子持ち女性が働きやすい会社の見抜き方とは?

管理職に占める「子持ちの割合」で見抜く!

女性が正社員として働き続けることで得られる生涯収入は最低でも約1億円。人によっては2億円以上ともいわれています。そんな宝くじに当たるような金額を手放すのは惜しいですよね。それには結婚・出産をしても働きやすい会社を選ぶ必要があります。

子持ち女性が「働きやすい・働きがいがある会社」かどうかを知るには、有休取得率と所定外労働時間の長さを見るといいでしょう。図示したとおり、時間外労働が多い会社は、女性正社員と子持ち女性正社員の有休取得率も低いからです。今後は、単なるワークとライフの両立ではなく、キャリアとライフを両立できる職場かどうかが重要です。

グラフを拡大
残業時間別にみた、女性正社員および子持ち女性正社員の有給取得率

たとえば、子持ちの女性管理職の比率という指標です。女性管理職比率を高めることももちろん重要ですが、女性の管理職はみな独身、結婚していても子どもはいないとか、男性と同じ条件で働けるから管理職になれた、というのではダメです。私が考案した「企業子宝率」(企業版の合計特殊出生率。その会社に在職中に持つと見込まれる子どもの数)という指標でみると、先進企業でも大半は、男性社員の子宝率は高いが、女性社員はきわめて低い。そのギャップを埋めていく必要があります。

女性が活躍できる企業ランキングに入っているのは大企業ばかりですが、本気で出世したいなら中小企業もオススメです。中小企業はもともと人材確保に苦労しているから、男性、女性とか言っていられない。よくあるのは、おっかなびっくり女性を採用したところ非常に優秀で、こういう人には辞めてほしくない、就労継続できるよう、がんばって会社を変えるというケースです。つまり人に合わせて制度を変えてくれるのが中小企業。人が制度に合わせなければならない大企業とは違います。

一方で中小企業のなかにもブラックに近い企業もありますし、経営陣や現場の管理職が女性に偏見を持つケースもあるので、そこは見る目が必要です。

さらに、最近、先進企業から私に「女性社員の夫たちに育休を取らせたい」という研修依頼も増えています。夫が会社員だという人は、自分の会社だけでなく、夫の会社の男性育休取得率や時間外労働の長さもチェックしておくといいでしょう。子育ては夫婦二人でするもの。本当は自分の会社だけでなく、相手の会社も働きやすい会社であることが大事です。

渥美由喜
東レ経営研究所 ダイバーシティ&ワークライフバランス主任研究員。1992年、東京大学法学部卒業。国内のワーク・ライフ・バランス・ダイバーシティ先進企業800社、海外150社を訪問ヒアリングし、4000社の財務データを分析。2児の父として育児休業を取得、現在は介護も実践。