愛息に最適な医療を施すため、遺伝子解析会社を起業した女性がいる。2004年の創業から遺伝子解析における国内シェア7割に成長した、ジェネシスヘルスケアの佐藤代表がその人だ。遺伝子研究の発展で、医療や予防医学の未来はどうなるのか? 東京・渋谷の本社で話を聞いた。

ジェネシスヘルスケア株式会社 佐藤バラン伊里 代表取締役。外資系投資銀行での勤務を経て、3人の子どもを育てながらアメリカ人の夫と起業した。

病気が進行する前に対処し、国家予算における医療費圧迫を軽減する。昨今、急速に発展する予防医学とは「病気になってから治すのではなく、病気になる前に先手を打ち、さらに病気になりにくい体をつくる」ことを目指す医学分野だ。

そのキーポイントとなるのが遺伝子解析である。遺伝子解析の結果でリスクの多寡が判明すれば、個々人に合わせた対処が可能になる。すでにヒトのDNA、言い換えれば「設計図」は、ほぼ正確に解析されているという。それにより、疾病リスクの予測はかなり踏み込んだレベルまで可能になった。

神奈川県川崎市が市民に対して、遺伝子検査キットの助成金を出し始めたニュースは記憶に新しいが、IT系をはじめ、続々と遺伝子検査サービスに参入する企業が後を絶たない。産業として大きく発展するに違いない分野だからだ。

ジェネシスヘルスケアのメイン6商品は、2016年5月に制定された「個人遺伝情報取扱協議会」の自主基準「CPIGI認定」を取得した。写真はその一部だ。

ジェネシスヘルスケア株式会社は、こうした1人1人のクオリティ・オブ・ライフへの貢献と国家予算の軽減という、2つの大いなるミッションに寄与する遺伝子解析と研究に、2004年から取り組んできた企業だ。独自の遺伝子研究所を持ち、医療機関と連携しながら、治験支援を行ってきた。世界的にも早い参入で、この分野のトップランナーである。

2016年5月には、遺伝子情報を取り扱う事業社で構成される「個人遺伝情報取扱協議会」と経済産業省とが連携して進めてきた、業界自主基準である「CPIGI認定」を、第一認定企業の1社として取得した。

創業者の佐藤バラン伊里さんに、遺伝子検査の現状と創業のきっかけについて訊ねる。