なぜ少人数なのに高い成婚率となったのか

私は大いに反省し、新たな婚活イベントを企画することにした。40代女性にチャンスが集中するものだ。

それは、40歳以上の女性に限定したお見合いパーティーだ。男性の年齢は、下限なしで上限は50代までとした。つまり20代男性も参加してもいいのだ。40代女性からは非常に受けがよく、募集開始後1日で定員いっぱいになった。しかし、男性はやってこない。女性からの申し込みが8名なのに対して、開催1週間前になっても男性は1名だった。

そこで私は「子供を産むだけが女性の価値ではない」というスローガンを掲げて、募集活動を続けた。もしかしたら産めないかもしれないけれども、夫婦二人で生きていく道もある。また、男性に原因がある不妊ということだって考えられる。「妊娠・出産の能力や可能性だけで決めないで、まずは会ってみませんか?」と訴え続けたところ、全部で5名の男性が集まり、そこから2組の結婚が決まった。

なぜ、男女合わせて13名しか集まっていないのに2組も結婚が決まったのか。それは若い女性がいないことで、40代女性が遠慮せずに自分の魅力を伝えることができたからだ。若い女性がいると思うと、「私が存在するのは悪いことだ」と体が固まり、どんどん自分で気配を消していってしまう。これが40歳を過ぎた女性の婚活を難しくする原因だ。

年齢を理由に遠慮しない生き方

40代女性に寄り添った婚活イベントは準備が大変なため、他の年代に比べると開催が少ない。だからこそこういった機会には、「私は若くないから」と卑屈にならずに、「全員が同世代」という大きな気持ちで婚活に挑む。これができれば、自分の魅力を最大限に伝えられるようになり、出会いのチャンスが一気に広がる。同様に、同世代かそれ以上の年代の人が多く集まるサークルなどに参加してみるのも、「自分の年齢を理由に遠慮してしまう」という癖を改めるにはよいきっかけとなる。

そして、最終的にはどんな年代の人の中にあろうとも、つつましさはそのままに、自分の魅力を伝えられるようになってほしい。今、40歳を目前とした私は、同世代アラフォーの気持ちがよく分かるようになった。昔の失敗を反省しながらも、「40代女性の皆さん、自信を持てばあなたの輝きは伝わりますよ!」と背中を押し続けたい。自分の年齢に自信を持つということは婚活に限らず、この先何十年と続く人生を、楽しく過ごすために必要なことだから。

大西明美
婚活アドバイザー。結婚相談所を経営。1977年大阪府生まれ。東京都文京区在住。過去20年で延べ4万3000件の恋愛を研究してきた婚活指導の第一人者。小中学校ではイジメを受け友達がいなかったため、周囲の人間関係を観察することを目的にして登校を続ける。特に恋愛に注目してコミュニケーションを学ぶ。高校生のとき、初めてできた友人に恋愛相談を持ちかけられ、日頃鍛えた人間観察眼を生かしたアドバイスを行い、無事に解決。それをきっかけに恋愛相談が立て続けに舞い込むようになる。婚活指導を通して、5年間で200組以上のカップルを成婚へと導いている。
著書に『となりの婚活女子は、今日も迷走中』(かんき出版)がある。