40代女性の戦意を喪失させたもの

40代女性の集まりの中の一人、サユリさんが質問をしてきた。「大西さん、今回は1対1でお話をする時間はないのでしょうか」「え、ないです。だって今日のパーティーは、“みなさんのトーク力を生かして年下男子と結ばれる”っていうコンセプトなんですよ?」

そう、1対1形式だと、私の主催するお見合いパーティーでは一人に対して5分しか話すことができない。大手の結婚相談所のお見合いパーティーでは、2~3分ということがほとんどだ。若い女性たちに負けない高いコミュニケーション力、積極性を発揮して、これぞという男性を囲いこみ、しっかり自己PRして欲しいというのが私の願いだった。

「……お気持ちはありがたいのですが、これでは無理です。男性は自由に歩き回れるならば、若い女性のところに行ってしまうのです。私たちも若い女性のところに行きたいんだろうなぁと思うと、男性をつなぎとめるのは気が引けます。短くても平等に時間をいただかないと……」言葉の途中でサユリさんは涙をこぼした。すると、他の人たちが涙をにじませながら続けた。「男性とお話できないのです」

一方でこのお見合いパーティーでは3組のカップルが成立し、結婚した。女性は全員20代だった。結果的に40代女性たちを引き立て役にしてしまったのだ。これほど開催を後悔した婚活イベントはない。

40代女性はコミュニケーション力が高く相手をおもんばかれる分、人を押しのけて出会いのチャンスを得に行くなんて厚かましいことはしないのだ。つつましやかに、「若い人に」と譲ってしまう。テレビで報じられる婚活関連のニュースなどでは、高望みの厚かましい女性ばかりが取り上げられ、「だから40歳まで結婚できなかったんだ」と批判されることも少なくない。しかし現実は違う。譲りすぎて婚期を逃した人の方が多いのだ。