分担ではなく、2人で一緒にやる

何でも「気づいたほうがやる」スタイルが無理なくできている理紗さんと信明さんにとって、家事を分担しているという感覚は特にないという。掃除、洗濯も気づいたほうが気づいたときに行う。1年前に現在のマンションに移ってからは、特に新居をきれいに保つ気持ちよさも加わり、より丁寧に掃除機をかけるようになったとか。

「コードレスの掃除機にしてから、すごく楽」(理紗さん)

「家事がおっくうな人は、家電をちょっと変えてみるといいかも」(信明さん)

こうした家電や家事の便利グッズも2人で買いに行くのが日光夫妻流。

信明さんは大のコーヒー好き。愛用のコーヒーメーカーでいれるのは信明さんの役目。

「双方が使う可能性があるので、お互いに確認して決めます」(理紗さん)

洗濯も、気づいたほうがボタンを押し、干すのも「2人一緒に」が多い。

「私が何かやろうとすると、いつも『一緒にしたほうが早いから』と手伝ってくれる。そうするとまた空いた時間ができて、お互いやりたいことをやったり、一緒に出かけたり、会話をするきっかけにもなるんです」(理紗さん)

「2人で生活しているから、一緒に家事をやるのは当然。『何時からお茶にしよう』と決めて、それまでの時間に家事を片付けてしまおう! と頑張ったり……」(信明さん)

「管理職も視野にキャリアアップを目指したい」という理紗さんは、保育園に子どもを入れることができれば、来年2017年4月からフルタイムの仕事復帰を希望している。互いの仕事やキャリアを尊重し、家庭のことは2人で分担する日光さん夫婦。だが現在の日本社会を見渡せば、信明さんのように家事に取り組む男性はまだ少数派だ。無理なく家事を共有する秘訣(ひけつ)をうかがうと、「家事は5対5でやるとか、あまり決めきることなく、一緒にやってみるところから始めるのがいいのでは」と理紗さん。

「押しつけないほうがいいのかも。一人暮らしを経験した人だと、それぞれのやり方もありますから。暮らし始めたときから、まず一緒にやっていくのがいい」(信明さん)

「そのうち『この人はコレができる』とわかってきたら、そこへ寄せていって、やってもらうよう促すのも方法かもしれません」(理紗さん)

▼主夫・信明さんの24時間

7:15 起床、身支度
8:00 家を出る
8:45 出社
20:00 終業
21:30 帰宅、夕飯、コーヒータイム
22:30 食後の洗い物
23:00 風呂掃除/入浴
24:00 就寝

撮影=清水朝子