マネジメント【中級編】
-基礎概念を実践面で使うことを考えよう

【左から】『IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ』冨山和彦、経営共創基盤(PHPビジネス新書)/『リーダーのための「レジリエンス」入門』久世浩司(PHPビジネス新書)/『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』ロッシェル・カップ(クロスメディア・パブリッシング)

『IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ』冨山和彦、経営共創基盤(PHPビジネス新書)
企業の再生ビジネスを手掛けてきた著者による実践的経営分析のノウハウは、日常の仕事の現場でも大いに応用できる。理論と実践の違いなども記され、新書なので手軽に読めるのもうれしい。

『リーダーのための「レジリエンス」入門』久世浩司(PHPビジネス新書)
これからのリーダーはレジリエンス(打たれ強さ)が重要な要件。集団を背後から指揮し、危機には「しんがり」で仲間を守る。著者は日本式リーダーシップと指摘する。新しいリーダー像を志向する人には参考になる。

『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』ロッシェル・カップ(クロスメディア・パブリッシング)
やる気に満ち、仕事に忠誠心をもった社員=エンゲージメントの高い社員が少ない日本。日米で人事コンサルタントとして活躍する著者が、新しい働き方を世界から学ぼうと提案。日本企業が抱える課題解決の参考になる。

マネジメント【上級編】
-自分自身のビジネス戦略を発展させるために

【左から】『戦略の経営学 日本を取り巻く環境変化への解』高橋琢磨(ダイヤモンド社)/『覚悟さえ決めれば、たいていのことはできる』松井忠三(サンマーク出版)/『未完の流通革命 大丸松坂屋、再生の25年』奥田 務(日経BP社)

『戦略の経営学 日本を取り巻く環境変化への解』高橋琢磨(ダイヤモンド社)
マイケル・ポーターの戦略論を起点に、現在の創知、情報化時代にふさわしい戦略論を検討。戦略論の問題点を熟知し、実務と研究に携わってきた著者が経営戦略論の教科書として執筆した。

『覚悟さえ決めれば、たいていのことはできる』松井忠三(サンマーク出版)
赤字に陥った無印良品を生産性の高い働き方でV字回復させた著者が語る経営哲学。独自のシステムを開発し、できるだけ無駄な仕事をしないことを徹底。難しいといわれることを実行し、成功させた経営者の信念を感じる。

『未完の流通革命 大丸松坂屋、再生の25年』奥田 務(日経BP社)
オーストラリアで大丸を立ち上げたときの経験や、アメリカの百貨店のシステム導入の失敗談など、グローバルな視点で日本のビジネスの位置づけを意識させる。実際に経営者が直面した成功談や失敗談から学んでほしい。

橘・フクシマ・咲江
G&S Global Advisors Inc.代表取締役社長。20年以上にわたりグローバル人財のコンサルティングにかかわり現職。現在三菱商事など4社の社外取締役。執筆・講演活動も多数。

構成=坂口さゆり 撮影=市来朋久