成長ぶりを見守ってきた社長はどう見ている?

「常にレベルアップし続けていきたい」という田代さんは、日々の業務のかたわら、秘書検定の勉強や今後、海外メーカーとの取引が増えていくことを見据え、ビジネス英語の習得にも余念がない。

その一方で「常に緊張を強いられる社長を瞬時にリラックスさせ、素の状態に戻す。その場をたちまち柔らかい雰囲気で和ませるところが田代さんの強みだ」と米田さんは評価する。果たして、この半年間、もっとも近い距離で田代さんの成長ぶりを見守ってきた高田旭人社長はどう見ているのか。

ジャパネットホールディングス 髙田旭人社長「『取材される側』の気持ちが体験できて今日はよかったね」

「根っこの気持ちにホスピタリティーがあるから、これからもっと伸びますよ」。開口一番こんな答えが。実は新卒入社で配属された総務部門時代から田代さんの仕事ぶりを見ていて「心がいつも安定している」と感じ、秘書に適任だと判断したという。同期とワイワイなれ合うだけでなく、だからといって孤立もせず、バランスをほどよく保てる。田代さんに秘書に必要な才能があることを見抜いていたのだ。

「『一事が万事』とよくいいます。たとえば、ある社員が廊下にゴミが落ちていても拾わなかった。その事象をどう受け止めるか。点として見過ごすのか、面として持ち帰るのか。小さな出来事からその先にある隠された何かに気づくことができるか。想像するチカラを習慣に変えられれば、これから、さらに成長できるはず。期待しています」

田代 薫
ジャパネットホールディングスHD広報・秘書室 秘書。
2014年4月新卒入社。総務部に配属される。2015年1月、社内の戦略部門としてジャパネットホールディングスが新体制に。髙田旭人社長就任にあわせ秘書となる。留学経験があり、英語が得意。

撮影=西山和希