違和感を生む人材を採用して失敗する理由

このように、企業が意図して違和感を作り出すケースは珍しいことではありません。しかし、残念なことに、組織を構成する人たちにはその意図を周知しません。それでも、違和感を許容できる組織に“違和感を生む可能性が高い人”を配置して、慎重に育てるということを考えられる企業ならいいのですが、ただ、異質な人を採っただけにとどまる企業も少なくありません。

“違和感を生む可能性が高い人”が周囲に対する違和感を我慢している間はまだしも(これはこれで多大なストレスがかかるため問題ですが)、周囲が違和感に我慢できなくなって、その違和感を生む人を排除しようとし始めると危険です。

周囲とは異なる能力やキャラクター、志向性や価値観を持っているから採用されたはずなのに、結果として理解のない人たちが「周囲ともっと合わせろ、空気を読め」と同調圧力をかけた結果、その人が組織から排除されてしまうという、極めて残念な展開が待っているのです。

もちろん、うまくバランスをとって、周囲との違いを問題視させないという能力を持っている人も少なくないのですが、そもそも周囲と違うある種の個性を持っていることに期待をされる人に、それを求めるのは酷というものです。もし、周囲との違和感を抱き続けていて、それにより仕事がやりにくいならば、あなたはその場所にいるべき人ではないのかもしれません。

部下に違和感を持ってしまった上司がするべきこと

では、配属された部下に対して、上司であるあなたが違和感を持ってしまった場合、どうすればいいでしょうか。まずはその部下の資質をじっくり見極めてみてください。同時に、ヒアリングできるならば、配属を決定した自らの上司や、人事部などその役割を担う部署の担当者に、意図を確認するのがいいでしょう。その違和感を組織として生かすことがミッションならば、あなたは仕事として、違和感を受け入れ、機能させなければならないのです。

部下が組織の色に染まることを期待して、それを押し付ければなんとかなっていた時代は、もはや終わろうとしています。それぞれの資質を把握して、うまく生かす。そのためには、組織の中にある違和感をいち早く察知して、放置しないこと。このように違和感を察せられるというのは、とても大切な能力なのです。

サカタカツミ/クリエイティブディレクター
就職や転職、若手社会人のキャリア開発などの各種サービスやウェブサイトのプロデュース、ディレクションを、数多く&幅広く手がけている。直近は、企業の人事が持つ様々なデータと個人のスキルデータを掛け合わせることにより、その組織が持つ特性や、求める人物像を可視化、最適な配置や育成が可能になるサービスを作っている。リクルートワークス研究所『「2025年の働く」予測』プロジェクトメンバー。著書に『就職のオキテ』『会社のオキテ』(以上、翔泳社)。「人が辞めない」という視点における寄稿記事や登壇も多数。