【10.気遣い】待ち伏せ、観察して心理を読む
●サイバーエージェント 役員秘書 長嶋陽子さん

副社長の日高は基本的に明るくて楽しい人ですが、とにかく多忙。動きの速いIT業界で、重要な経営判断を下し続けているので、頭は常にフル回転。日高の負担を少しでも軽減するために心がけているのが、言われる前に動くこと。それにはよく観察することが必要です。

仕事に集中しているときの日高は無表情で無口。それでも丸10年秘書を務めていると、声のトーンなどで今の状態がわかるもの。日高はあまり細かく指示を出すタイプではないので、「これは相当忙しいな」と思ったら、「コーヒーでも飲まれますか?」というように、マメに声がけをするようにしています。かといって、うるさくしてはいけない。常に一歩引いて、でも自分で判断できることは判断して提案する。バランス感覚が求められますね。

【写真左】サイバーエージェント 役員秘書 長嶋陽子さん/新卒で入った会社で社長室の秘書見習いを1年半経験後、ロンドンに1年間語学留学。2004年、サイバーエージェントに中途入社。取締役副社長の日高裕介氏の秘書を務めて11年目。子会社のサムザップで総務業務を兼務する。【写真右】忙しくても1日1回は顔を見る。早く終わりそうな会議の後に待ち伏せも。
【気遣いの3つのポイント】

●外出の時間を提案
たとえば、携帯ショップに行きたそうだな、と思えば勝手に予定を調整。「2時間空きましたが、携帯ショップに行かれては?」と提案します。
●重要な局面でそばにいる
日高は、特に用がないのに人を呼びつけたりするのは悪いと思うタイプ。込み入った仕事が入っている日はこちらからそばにいるようにします。
●状況・体調を読む
確認や質問はなるべくまとめていっぺんに。まずはライトな質問をぶつけてみて、タイミングが悪そうなら、残りの質問は別の日に後まわしです。

構成=瀬戸友子、長山清子 撮影=邑口京一郎、濱田 晋 撮影協力=Cast78