仕事での失敗。原因は「不満そうに見える顔」

私は「素の顔」で仕事のミスをした嫌な思い出があります。ニュースキャスター時代に、「素の顔」がテレビに映ってしまったのです。ニュースのVTRが流れ、次は男性アナウンサーが画面に映る予定でした。しばらく自分の出番はないと思い、私はボーッとVTRを見ていたんです。すると、自分の顔が画面に映っている!

「ここに映っているということは、もしや私は今テレビに映っている?」と気づき、あわててニコッとしました。が、そのギャップがまたすごく怖かった。あとでそのシーンを見たら、ボーッとしたときの私の「素の顔」はひどい顔でした。楽しい内容のニュースなのに、ムスッとして不満そう。

実は私には口をとがらす癖があります。そのときも、無意識に何か文句を言いたそうな口になっていました。自分の素の顔は「不満そうに見える顔」だと、このとき初めて知りました。みなさんにもきっと何か癖があるはずですから、素の顔ではどういう癖があるのか、ぜひ知っておいてください。

話を聴くときは、話の内容に合わせた表情をすることだと最初に申し上げました。よい話だったらニコッと口角を上げて話を聴く必要がありますし、つらい話や真面目な話だったら眉間にしわをよせて深刻そうに聴きます。ニュースの場合、同じ交通事故でも、玉突きで死亡者が出ているのか、けが人はなくかすっただけだったのか、その内容によって表情は変わります。このレベル分けも重要です。

笑顔なら、笑うときに見える歯の数でレベル分けすることができます。笑顔大は8本。中が4、小が0です。すごくうれしい笑顔大のときは、口をニーッと横にかなり引く感じで笑います。中は歯の白いところが少し見えるくらい。0は歯を見せずにニコッと笑うだけですね。

このときのポイントは下の歯を見せないこと。下の歯が見えると、笑い声が「イッヒッヒ」と聞こえるようで下品に見えます。笑顔には特大というのもあって、これは歯と歯の間の空間も見える笑い方。ただし、これもあまり上品ではありません。