家族全員で読んでます! 『孤独のグルメ』

『孤独のグルメ』久住昌之・谷口ジロー(扶桑社)。初版は1997年。雑誌「SPA!」で不定期連載しており、2015年に2巻が発売された。

「夫、大学生の息子、私でここ数年一緒に読んでいるのが、久住昌之さんの『孤独のグルメ』です。主人公の中年男性が仕事の合間に立ち寄った店で食事をする様子を描くグルメマンガですが、大衆的な町の食堂など、同年代だからこそ分かる気がする渋いチョイスがたまらないです。

もともとは、食べること大好きな夫が単行本を買っていたのですが、テレビドラマ化されて話題になってから私も息子も読むようになるように。東京の店が取り上げられることが多いので、家族3人で舞台となった店に行ったこともあります。

家族3人ともそれぞれに忙しいのですが、夫から出張で見つけた地方の名店や、息子から大学の近くにあるレトロな喫茶店を聞いたりして、それぞれの『孤独のグルメ』を教え合っています」(49歳/マスコミ)

基本的にマンガは1人で読むものですが、家族で1つのマンガを共有し、パートナーや子供とともに楽しむのも素敵なこと。その点、グルメマンガは誰でも身近な「食」がテーマなので、家族で楽しむにはもってこいかもしれません。『孤独のグルメ』の場合は実在するお店が登場するので、実際にお店に行ってみたり、マンガに載っている料理を作ってみたりと楽しみ方もいろいろです。

『孤独のグルメ』ドラマ版は現在Season5まで放映された(テレビ東京系)。人気は海外に飛び火し、台湾でもリメイクされている。

キャリアもプライベートも責任が増して忙しい40代。マンガとの出合ったきっかけも、子供に教えてもらったり、テレビでドラマを見たり、と偶然によるところが多いようです。しかし一度素敵なマンガと出会ったら、これまでの人生経験を生かし、その魅力を多面的に味わう“余裕”があるように感じました。

歳を重ねるごとに微妙に変わっていくマンガ体験。あなたは今、どんなマンガが好きですか?

皆本 類
出版社勤務を経てフリーのライターに。広告案件や企業のオウンドメディアを中心に、女性向けコンテンツ作成を担当。おひとりさま向けウェブマガジンの編集のほか、猫やウェディングに関する雑誌に記事執筆も。

編集協力=プレスラボ