企業も政府による抑制を期待

この一億総活躍国民会議に先立って、「FJ緊急フォーラム:長時間労働是正/働き方改革」は開催されました。もっとこの長時間労働問題に関心を持ってもらいたい。最新の政府の動きや、長時間労働をしなくても成果を出している企業があることを知ってもらいたい。何よりも「当たり前」とされていた長時間労働に対して、「変えられるのだ」という意識を多くの人に持ってもらいたい。「そうだ、緊急フォーラムをやろう!」と有志で話がまとまりました。有志は経営、子育て、父親、少子化などさまざまな分野で、普段から問題意識を共有し、「子育てしながら、介護しながら、どんな人でも働きやすく生きやすい社会」を目指す人たち。「長時間労働」に関する問題意識も同じでした。

FJファウンダー安藤哲也さんたちはすでに緊急フォーラムを何回か開催しているので、今回もFJのみなさんの力で、奇跡のような素早さでフォーラム開催が決定。さらに声をかけあって、どんどん協力者が集まりました。

登壇メンバーは、小室淑恵(ワーク・ライフバランス代表取締役社長)さん、堀江敦子(スリール代表)さん、羽生祥子(日経DUAL編集長)さん、塚越学(東レ経営研究所コンサルタント/FJ理事)さん、川島高之(元祖イクボス/大手商社系企業社長/FJ理事)さん、ファシリテーターは安藤哲也さん。さらに「長時間労働是正の実践企業」として中根弓佳(サイボウズ執行役員)さん、大西徳雪(セントワークス代表取締役社長)さんが決定しました。

また長時間労働是正に関して当事者だけでなく「企業からの声」をしっかり聴く必要がある。この問題は「経済界からの抵抗が強い」と言われている分野だからです。イクボス企業同盟、ワークライフ・バランス社に協力してもらい、109社が答えてくれました。

日経DUALも「共働き世代」へのアンケートを開始。短い時間に1233名が回答。スリールからは「学生や若手(入社5年目まで)が労働時間に対して、どんな意識を持っているかのアンケートをかけ、3日間で160名が回答してくれました。

ファザーリング・ジャパン長時間労働アンケート2016【結果概要】

フォーラム当日は、塚越さんによる「日本の長時間労働」に関するデータを使ったわかりやすい問題提起。働き方改革実践者、経営者による「経営戦略としての「働き方改革」の実例」。小室さんによる「残業時間が減り、利益が上がり、出生率が上がり、メンタル疾患が減った」企業のデータ。そしてアンケート結果が公開されました。

アンケートから「109社の9割が政府の労働時間の全体的な抑制の旗ふりを政府に期待している」ことが明らかになりました。109社の内訳は、大企業もあり、中小企業もありますが、すでに働き方改革に関心をしめし、または実践しているイクボス同盟やWLB社のコンサル先などの企業。それが「1社での取り組みは限界がある」と言っているのです。

「長時間労働是正について、取引先や競合他社だけでなく、社会全体で取り組めば、貴社も取り組みやすいと感じますか?」でも94%がイエスでした。同じ業界でほかの会社がもっと夜遅くまで対応していたら、そちらに仕事をとられてしまうかもしれない。もし同じショッピングモールで、一社だけが早く閉店したらどうなるのか? やめたいと思っても、「実はあまり儲からない」「実はあまり生産性が高くない」長時間労働合戦に陥っています。やはり日本全体で取り組む必要があり、それには政府の力が必要なのだと企業も思っていることが明らかです。