日本のダイバーシティには何が必要なのでしょう? 英系人材紹介大手・ヘイズがアジア全域で行った最新の給与意識調査で浮き彫りになった、日本固有の働く価値観。そこから見えるものについて、ヘイズのアジア マネージング ディレクター、クリスティーン・ライトさんに話を聞きました。

■【前編】はこちら→http://woman.president.jp/articles/-/1203

キャリアパスをイメージして「環境」を選ぶ

英系人材紹介大手、ヘイズのアジア マネージング ディレクター、クリスティーン・ライトさん。20年以上にわたり、イギリス、オーストラリア、アジア諸国など各国の労働市場を見てきた立場から、今の日本に必要なダイバーシティのあり方を語ってもらった。

ジェンダーダイバーシティ元年とも言える2016年、日本女性に何が求められているのか――文化や慣習を考えるのは難しい。目の前の同僚や上司を変えることもまた、早急には難しい。ライト氏のアドバイスは、「環境選び」だ。

「自分らしさや個性を変える必要はありません。そのままで野心的に、キャリアを積極的に追求できます。ただし、周囲の環境は重要です。キャリアにおいて周囲が変わらずして自分だけが変わるのは無理があるでしょう。だからこそ、環境を探すことが重要なのです」

この言葉を聞いて、インターネットオークション会社大手、eBayのCEOを経てHewlett Packard Enterpriseを率いる女性CEO、メグ・ホイットマン氏の言葉を思い出した。ホイットマン氏は女性を集めた会で、女性とキャリアについて聞かれた時、「自分らしく成長できる環境が重要」と語っていた。

ライト氏はさらに続ける。「ジェンダーダイバーシティや女性の雇用についてオープンに話さない企業であれば、キャリアの追求は難しいかもしれません。それに気が付いたら、転職という選択肢を考えてよいのでは? その前にまず、今勤めている企業に対して、自分の役割(職種定義)を明確にしてもらい、何が求められているのかを知るのです。そしてその仕事が、どのようなキャリアパスになるのか――控えめであっても、この2つを会社に求めることは当然でしょう」。

会社が、自分が望んでいる環境を提供してくれるかどうかを見極めることは、大きな違いを生むのかもしれない。