必要なのは、ウリになる専門性とリーダー経験

「将来転職を考えるなら、若いうちに会社の外でも通用するような高い専門性を持つことが必要。与えられた仕事をただこなす受け身ではなく、自分はこの会社でどういうキャリアを積んで、どう貢献し、何の専門家になりたいのかを考えながら仕事をすることです」。氏の考えるキャリアとは、同じ職種で3~5年以上経験を積んで得た実績をともなう専門性のこと。キャリアアップを考えるなら、安易に転職せず、じっくりキャリアを構築すべきというのが持論。

どうキャリアを積んで、いかに人を動かしたかが、評価の分かれ目。

また、30代以上で求められるマネジメント経験とは、中堅マネジャー、リーダーとして部下を持ち、指導や評価をする責任を負った役職経験があること。

「リーダーの経験と実績があれば、若手では狙えないレベルの市場にアプローチでき、キャリアアップの可能性が高くなります」。数は少ないが、タイミング次第でチャンスがあるということだ。

さらに、求人情報を見る際、つい年収やポジションにばかり目がいってしまうが、注意したいのが待遇面。35歳前後は一般的に結婚や子育てなどの年齢にあたることが多いだけに、時短や休暇制度など子育てや介護などのライフイベントサポートが整った会社を選ぶことも大切だ。若手とは違うからこそ、自分の実力や条件に近い情報をリサーチし、希望にマッチする企業と出合うことが転職成功の秘訣。努力次第で限界などはそもそも存在しないのだ。

撮影=水野聖二