「勉強させてください」はNG!

――採用面接で、重点的にチェックされるポイントはありますか。

【製薬】面接ではこれまでカベにぶつかった経験を聞くね。どうやってそれを乗り越えたのかを聞いたときに「自分はこうして乗り越えた」と言う人と、「自分はこう考えたが無理なので誰かに相談して助けてもらった」と言う人がいる。採りたいのは後者。なぜなら、いかに仲間やチーム、上司からうまくサポートしてもらって解決したかが組織では大事だから。逆に修羅場を自ら乗り越えて成功している人というのは、もしかしたら何かのカベにぶつかったときに一人で抱え込んでしまう可能性があると見ている。

【精密】なぜうちの会社を選んだかを必ず聞いています。自分のキャリアを考えてわが社に入って得たいものは何か、それから自分が会社に貢献できることは何かという両面を整理して話せる人には魅力を感じます。単に自分はこんなことができます、これもできますと自己アピールだけをする人がいるけれど、こちらもだまされないぞと思ってしまう(笑)。

【食品】絶対の禁句は、中途で入るのに「勉強させてください」というひと言。いやいやうちで勉強されても困るし(笑)。自分の能力を伸ばしていきたいこと、会社に貢献したいことについて一生懸命に考えて整理することが大切だ。

食品会社・人事部長/50代「子どもの有無は基本的に関係ない。ただし、定時の帰宅がマストな人は、採用しない」

【IT】転職の動機を聞くと、今の会社があまりにも長時間労働なのでと言う人が多いですね。そんなことよりも、採用側としては、もっとエンジニアとしてのキャリアイメージを押し出してほしいのに。「今までの経験を活かしたい」とか「働きやすい会社だから」と言うだけでは断っています。

【精密】土日も仕事でつぶされ、きちんと休みたいので転職したいと言う人がいた。それは本心かもしれないがそのままストレートに伝えられると採ろうとは思わないですね。たとえば、「自分のキャリアを伸ばすためには時間と体力を消耗しながらやっている今の営業スタイルでは限界がある。もっと経営陣から投資してみたいと思われるようなコンサル的なキャリアを伸ばしたい。そうしない限り自分も伸びないし、収入も増えることはないのでぜひ御社に入りたいです」などと言われると、グッと響くものがありますね。

【製薬】営業担当を採用する際の基本的なチェックポイントは、営業パーソンとして個人で目標予算を持って、それを達成するという経験をしてきたのかどうか。他社との差別化を自分で考えてどのように実践し、成績につなげてきたかを、数字も含めて細かく聞いている。そういう意味では、日本の大企業で育ち、個人で責任を持った経験がない人はまず無理だろう。