【清水】地方交付税、補助金頼みの地方行政、産業も問題です。

【山田】確かに、最近、介護施設は畑違いの人が、補助金目的で始めることが多い。だから、結局、運営ができずにやめたり、質の悪いサービスしか提供できず、利用者が不利益を被るケースがあります。

【島本】地方には、補助金をいかにして受けるかを指導する補助金コンサルもいます。ああいう人は、補正予算がかかるたびに、潤う。

【横山】それでは結局バラマキと同じ。補助金により何人の雇用が増え、人口が増え、税収が増えたか、検証が必要だと思います。

【田中】あと地方発の企業が、元気になることが課題ですね。トヨタのお膝元の私が言うのも何ですけど、豊田市は地方交付税も貰っていませんし、公園も保育園の環境の整備も素晴らしい。

【山田】YKKが本社機能を一部地元に戻した話を聞きましたが、いい動きですよね。

【岡村】北海道には「セイコーマート」という自慢のコンビニがあるんです。PBを日本で最初に始めたり、過疎地にも採算度外視で店を出し続けるなど、顧客満足度ナンバーワンなんですよ。

【山田】国への要望としては、選挙の仕組みを変えること。若くて強いリーダーシップがなければ地方創生は難しいから。ウチの施設に入居するお年寄りは、介護タクシーを使ってでも「あの人を勝たせたい」と投票に行く。それはいいことなのですが、若い人が選挙に行かないとシルバーデモクラシーに偏りやすいですよね。

【清水】候補者がつじ立ちしているようでは、魅力的な仕事にならない。ネット選挙を解禁しては。

【島本】あとは規制緩和。建築のルールが厳しくてシャッター通りなどの再利用が進まない。こうした取り組みはぜひ、進めてほしい。

■「地方創生」に関する要望書

地方創生につきまして、下記により要望いたしますので、宜しくご配意賜りますよう、切にお願い申し上げます。

(1)「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を読んでも、具体的にどう動いていくのかが全く見えません。ビジネスがわかる有識者中心のメンバー構成にするといいのではないでしょうか。
(2)地方創生には、若くて強いリーダーが必要ですが、知事になりたい若者がいないので、年配の人が多くなっています。ネット選挙を解禁するなど、仕組みを変えてはどうでしょうか。

以上 第6回 座談会参加者 一同