例えば、売上をたくさん上げている組織に所属している社員は、そうではない組織に所属していて、スキルはほぼ同じという社員よりも優秀だと評価されます。また、評価をするマネージャーと席が近くて仕事ぶりがよく見えている人と、レイアウトの関係でマネージャーから席が遠かったり、仕事ぶりが見えない人を比べると、後者の評価が低いという結果もありました。

つまり組織の中で、良くも悪くも上司(以外の人も)から「よく見えている」人は、「優秀だろうと思われる」ようなのです。つまり、「私にやらせてくれ」と大きな声を張り上げる、目立つ人は、結果として“良く見えてしまう”可能性がある。もちろん、目立たなくても優秀な人を拾い上げる仕組みがある、もしくはそういう資質を持っている人がいる組織なら話は別なのですが、残念ながらそういう組織はまれです。

真面目にコツコツ仕事をしているだけでは、やりたいことはできない

たとえあなたが優秀で才能があったとしても、見えるところに立ってくれないと、組織や上司(正しくは人材を登用する担当者)はあなたを見つけ出してくれません。「日々黙々と仕事をしていて、その成果を着実に積み上げていれば、いつか誰かが私をキラキラと輝ける場所に置いてくれる」と、もし思っているとしたら、それは幻想。そんな白馬に乗った王子様みたいな、人を見る目に優れた上司は、まず存在しません。

もちろん「特にやりたいことはない」「今の仕事に満足している」という人は、特に問題はありません。けれども「やりたいことはあるが、やらせてもらえない」と愚痴っているなら話は別です。

最初に、やりたいことを周囲にきちんと伝えられているか、そのチェックから始めてみましょう。心に秘めた思いというのは、周囲には分からないものなのです。

まずは言葉にして、周囲に公言する。将来的には「こういう仕事がしたい」とハッキリ言う。そうすると「あなたって、そんなことがやりたかったのか」と驚かれたり、逆に知っていう人からは「できるように応援する」と激励されたりと、さまざまな反応が得られるはずです。

そのリアクションを見れば、あなたの思いが周囲にちゃんと伝えられているのかどうかは確認できます。もちろん、上司との面談の場などでは言っているという人もいるでしょうが、それだけでは弱い。もっと徹底的に周知するのです。「やりたい」と声に出して言いましょう。

そうすることで、その仕事に取り組めるポジションに空きが出た時に、周囲の誰もが「ああ、あの人がやりたがっていたな」と思うはず。そう、自分のやりたいことを周知することによって、まず一歩リードできるのです。