そこで、「これは具体的には一体どういう心理なの?」と女子の気持ちの機微に詳しいオトナ女子に講義を願った。そもそも、その「メンドくさい社内義理チョコ」とは何なのかというと、社内で女子社員が上司や同僚、部下に対して普段お世話になっている気持ちの表現として「個人プレイで」渡す義理チョコなのだそうだ。ところが、渡し方のスマートさやらチョコ選びのこなれ感など、その女子本人のコミュ力やセンスその他が白日のもとにさらされる機会となってしまい、妙な明暗が生まれる。積極的に手作り菓子を配って、料理できるキャラ立てを企てる女子もいれば、渡す相手によってテーマを設定してチョコ選びを楽しむ女子もいるが、そういうこと自体が苦手な女子もまた多い。それに、職場での年次が上がってくればもう10年も20年も毎年続けてきてネタも切れ、いい加減飽きてくる。これは、お返しをする側にも同じことが言えるのだろう。

職場の人や上司に自分から渡すこと自体が恥ずかしいというタイプの女子もいる。周りがみんなやっているからって、自分まで流されるのがイヤ、というタイプもいる。逆に、職場で気を利かせて「もうバレンタインは廃止しましょう」などと取り決めができると、「でも私は日頃の感謝としてチョコを渡したい……。一人だけ足並み揃えないと、職場で嫌われちゃうかな」と悩む女子もいるらしい。「一口に女子といってもさまざまですよ」。そんな講義を聞いて、「チョコよりも、女子の心理がメンドくさいですね」と思わず私は正直な感想を漏らしてしまったのだった。でも、女子のメンドくささは往々にして女子本人が一番自覚しているものだ!