「教えを請う」のでなく「後進を育てる」役回りへ

「長年新入社員がまったく入ってこない環境だったので、常に『先輩に教えを請う』後輩としての役回りを求められてきました。ただ、景気がよくなってきて業績が上向き新卒を一気に採用することになった途端、後輩を育てることを急に求められてすごく焦りました。でも、そのおかげで自分がそれまで『下駄を履かせられる』立場に甘えていたかを認識できて、ようやく今、働くことがどういうことなのか分かってきました」(31歳/通信系企業・総務人事)

今回行ったヒアリングの中で多かったのが、団塊世代の大量退職や景気上向きを背景に伴い新入社員が増える中で「先輩」や「管理職」の立場を急に任せられるようになった、という意見。構造的な問題ですが、これを機会に「下駄がなくなった」という感覚を持った人も多いようです。これを好機ととるか、ピンチととるかどうかは、これからの働き方次第です。

「下駄」をめぐる女性の葛藤には、女性と仕事との関係についてのさまざまな問題が透けて見えます。皆さんも一度自分に「履かされている」、「履かせられていた」かもしれない下駄について考えてみませんか?

皆本 類
出版社勤務を経てフリーのライターに。広告案件や企業のオウンドメディアを中心に、女性向けコンテンツ作成を担当。おひとりさま向けウェブマガジンの編集のほか、猫やウェディングに関する雑誌に記事執筆も。
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編集協力=プレスラボ