楽観的な営業マンのほうが成績が2倍以上よく、悲観主義者はうつ病になるリスクが高いらしい。悲観的な人はどうすればいいのだろうか。ついネガティブになりがちな人が生まれ変われる簡単な方法をご紹介する。

なぜ入社2年で営業成績が2倍以上も開くのか

グラスにお酒が半分。「まだ半分ある」というのは楽観主義者で、「半分しかない」というのは悲観主義者だという。さて、あなたはどちらだろうか。

楽観主義者は細事にクヨクヨせず、健康で打たれ強い半面、物事を冷静、客観的に見ることが苦手の人が多い。一方、悲観主義者は物事を慎重、冷静、客観的に見る半面、落ち込みやすく、立ち直りに時間がかかる人が多い。それぞれに長短ありで、どちらがよくどちらが悪いということはないが、営業やセールスの世界では、楽観主義者のほうに分があるようである。

図1:営業員の楽観・悲観主義と販売実績
図を拡大
図1:営業員の楽観・悲観主義と販売実績

図表1は、米国メトロポリタン生命保険会社のペンシルベニア地区で働く営業員約100名を、楽観主義者と悲観主義者に分けて、2年間の通算販売成績、1年目および2年目の販売成績を比較したものである。

2年間の通算成績で見ると、四半期の平均販売成績は、楽観主義営業員は3105ドル、悲観主義営業員は2270ドルで、楽観主義営業員のほうが37%も多く、この開きは、販売年数が増えるに従って大きくなっている。すなわち、1年目では楽観主義営業員の販売成績は、悲観主義営業員より29%多いが、2年目になると130%、つまり2倍以上の開きになっている。

図2:営業員の楽観・悲観主義と離職率
図を拡大
図2:営業員の楽観・悲観主義と離職率

また、図表2は、入社2年後に在職した者とそれまでに脱落した者について見たものである。楽観主義営業員では、ほぼ半数の46%が脱落しているが、悲観主義営業員は、実に71%が脱落している。これらを見ると、営業員の楽観・悲観主義が販売成績や定着率に影響することがよくわかる。

ところで、一体どのようにして楽観主義営業員と悲観主義営業員を見分けたのであろうか? この調査では、心理学者のセリグマン博士(Seligman, M.E.P. ペンシルべニア大学教授、前アメリカ心理学会長)らが開発した「説明スタイル・アンケート」が使われている(*1)。以下、このアンケートについて簡単に説明しよう。